ゴルフスタジアム事件に於ける被害者達が原告となり、当該事件にて主要な役割を果たした旧・ゴルフスタジアム社の役員及び社員総勢13名に対する損害賠償請求裁判は、2024年11月7日(木)に2審判決日を迎えました。
永谷典雄裁判長は一審判決内容をほぼ追認するものの、一審では原告側の主張が認められなかった被告Tに対する請求を一部認める事になりました。永谷裁判長が読み上げた判決文では、「一審原告らの一審被告Tに対する請求部分を次のとおり変更する」としたのです。被害者側が一矢報いる形に、初めてなりました。
東京地裁・高裁に於けるゴルフスタジアム事件を振り返るならば、その戦いの基本構図は被害者達によるクレジット・リース会社への訴訟であり、その訴訟を構成する8裁判では被害者達の主張が認められる事は無く、概ね「和解」と言う形で推移して来ました。壁が高い現実を思い知らされたとも言えます。
しかしながらゴルフスタジアム事件の主要因となった旧・ゴルフスタジアム社、その元構成員に対する裁判では、東京地裁に於いて原告・被害者達の主張がほぼ認められ、そしてこの度高裁では追加の主張が認められたのです。国はクレジット・リース会社に対してはおとがめ無しとする一方で、ゴルフスタジアム社の営業手法については断罪する方向性を明確にしたのです。
なお被告側による最高裁上告への道も残されており、この度の判決が確定するまでには、今少し時間がかかりそうです。
一社)日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は2024年2月末時点における全国のゴルフ場数を、2024年11月に入り公表しました。此の資料の基礎になっているのは、利用税を納めているゴルフ場になります。
今回明らかにされたゴルフ場総数は2,169コースですが、此処には18ホールズ未満のゴルフ場が105コース含まれています。いわゆるショートコース等と呼称されているものになりますが、この105コースを差し引いた2,064コースが、本格的な18ホール規模以上のコースになります。
総数で言えば前年度よりも9コースが1年間で減少した事になりますが、18ホールズ以上のコース数で言えば10コースが減少しました。減少数は前年度時点で11コースでしたので、今統計に於いても大きな差異は無かったと言えます。振り返れば2010年度以降14年間で、258コースが消えています。
今統計で消えたゴルフ場には、『昭和の森ゴルフコース』も含まれています。稼働率も高く常にゴルファーで賑わっていたゴルフ場で、街並みに溶け込んだ自然環境は地域住民に潤いをもたらしていた側面は、今となっては懐かしくも有ります。ゴルフ場は森林破壊の元凶などと揶揄されたのはかつての話であり、CO2吸収効果などを考慮するならば、その存在意義は高いものが有ったのだと言わざるを得ません。
年々減少するゴルフ場ですが、歯止めがかかるのは何時になるのでしょうか。
千葉県の市原市では、2017年より「いちはらゴルフ場巡り33」と題し、市内33コースを利用したプレーヤーへ、その達成度に応じ市内特産品をプレゼントしています。達成基準としては、5コース、11コース、22コース、33コースと言う4段階に分かれています。
この内5コースと11コースを達成したプレーヤーに対しては、これ迄とは異なり2025年1月15日よりデジタル振興券へ切り替わります。同日よりアプリ化された「いちはらゴルフ場巡り33」が機能しだし、デジタル振興券=(電子クーポン)が付与されます。
取得者による利用方法としては、市内提携店でのお買い物やサービス利用時の支払いに対し、割引料金として利用出来ます。22コースと33コース達成者へは、これ迄通り市内特産品になりますが、市によればこの賞品内容を更に充実させていくとしています。
今回このデジタル振興券発行に合わせ市では、取得者が利用出来る店舗100店を当面の目標に設定しており、2024年11月1日(金)~同年12月31日までの期間、新規登録店舗の募集を行います。この期間に登録しますと初期費用6,600円(税込)が無料になるのみならず、更に月額費用3,300円(税込)も2027年3月まで無料になります。
市内の33ゴルフ場は、大切な資産ととらえる市によるゴルフ場活性策が、また一歩前進しようとしています。
株式会社NTTドコモ(ドコモ)では2024年3月5日より、ゴルフラウンド月額定額サービスを開始しています。基本的なサービスプランには、次の3パターンが有ります。
❶ 1年プラン (税込8,778円 / 月)
❷ 6ヶ月プラン(税込9,878円 / 月)
❸ 3ヶ月プラン(税込10,978円 / 月)
上記プランへ登録した会員が定額サービスを利用しラウンドする場合、「GOLF me!」登録コースに限定されますが、それは次のWebサイト(https://golfme.goo.ne.jp/)から確認出来ます。またこのサービスはアプリを利用してでは無く、あくまでもWeb上で全ての作業を完結させていくものになります。
この定額サービスのリアルな料金を実感したく、千葉県の某登録ゴルフ場へ連絡を取り教えて頂きましたので、此処で披露したいと思います。
そのゴルフ場では1日1組のみを「GOLF me!」より受けているそうですが、1組4名は各自全く面識の無い方々のケースもあるとの事。料金は利用税と食事代更には売店などを利用した金額のみを、「GOLF me!」会員に清算してもらっており、それ以上は求めていないとしています。
と言う事は「GOLF me!」会員は、ドコモへ支払う月額料金とプレーする度にコースへ支払う最低限の料金、これのみで済んでしまうのです。
これではゴルフ場は利益が出ず赤字になってしまいますが、そのゴルフ場曰く、損失分については「GOLF me!」側より補填してもらっており、赤字にはならないものの通常のビジターよりは、割安で提供しているイメージだとしています。
ところでこのドコモの定額サービスは、何処に利益の源泉を見出し、ゴルフ場業界へ参入して来たのでしょうか。これまでティータイム確保のエントリーサービスは、ゴーラやGDOなどで寡占化していますが、切り口を変えてドコモがこの市場へ参入して来たとも言えます。まだ始まって8ケ月ですが、今後の動向が注目されます。
神奈川県の相模野カントリー倶楽部では2025年1月1日より、会員による予約方法と、プレー予約のキャンセル及びキャンセル料を改定します。
スタート予約については、現時点で電話受け付けとWeb上での受け付けと2種類が有りますが、来年からはWeb予約を停止します。これは予約開始時にWeb上のアクセスが集中し、システムが充分に機能しない為です。Web予約を停止にすると言う事は、ネガティブ志向なイメージを持たれがちですが、同倶楽部曰く「新システムを模索しており移行するまでの過渡的措置」だとしています。
来年からのプレー予約は、2ヶ月前の同日午前10時より、電話のみになります。
また土、日、祝日につき予約日前日の13時以降にキャンセルした場合、1名につき3,000円を現在徴収しています。今後は1週間前の午後16時以降のキャンセルにつき、予約した代表会員へ1名あたり3,000円を請求し、次回来場時にお支払い頂くとしています。或いは請求書を発送し、振り込みして頂く方法もあるとのこと。
なお平日予約のキャンセルは此れまで無料ですが、来年以降は1名につき1,500円のキャンセル料がかかります。キャンセル料徴収対象者となるのか否かは、土、日、祝の上記と同様です。
(一社)日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は2024年10月8日、2024年7月度の全国ゴルフ場利用者数が対前年同月と比較し、575,228人減少したとした事を明らかにしました。
減少数の内訳は課税者数480,198人、非課税者数95,030人です。この要因について同協会常務理事の山形和彦氏は、あくまでも推論との前提で「季節的要因が大きかった」としています。つまり酷暑の影響から、プレーヤーが自主的判断で自粛したのではないか、この単月での減少を捉えてゴルフ離れとは言えない、と氏は分析しています。
東京都下の某ゴルフ場スタッフによれば、かつて夏日と言えば救急車の出動依頼をかけない日は無いと言うのが、肌感覚であったものの、この数年はその回数が減少しているとの事です。多少体調が悪くとも我慢し、同伴者やゴルフ場へ迷惑をかけないのが紳士たるゴルファーだ、その様な考え方が徐々に変化しつつあるのだと思われます。
健康増進や親睦の為のゴルフラウンドで、救急隊に救助される迷惑をかけたくない、まして生死を彷徨う苦しい思いをしたく無い、ならば自粛すべきだ、この様な考え方が定着しつつあるのだと言えます。
全国58地点で観測される「熱中症警戒アラート」ですが、今年6月には45回、7月には622回が累計で発せられています。各ゴルフ場の判断にもよりますが、このアラート発令を基に強制的にプレーヤーへラウンドを中止させ得る状況です。益々厳しさが増す自然環境ですが、それは同時にゴルフ場の経営面へのダメージにもつながって来るもので、何とも悩ましい問題になっています。
2024年7月度の対前年同月比での総利用者数減少は、来年どの様な数字になるのか、大変注目されます。
太平洋クラブの経営母体でもある株式会社マルハンが、2024年4月30日に荒川河川敷に展開する9ホールコースの『新東京都民ゴルフ場』を取得していました。
同日、此れまで経営を担ってきた葵会グループの河本貢司氏に代わり、マルハン社の韓俊氏が代表取締役へ就任しています。太平洋クラブによれば直接的関係は無く、マルハン社の北日本カンパニーの管轄になっているとの事です。
振り返れば同ゴルフ場は、茨城GCグループを離脱後に多くの従業員の要請により登場した茂出木氏へ、経営を委ねる事になりました。しかしながら2019年の19号台風の甚大な被害から茂出木氏は、ゴルフ場経営そのもを断念せざるを得ない状況へ、追い込まれてしまいました。
その後救世主の如く登場したのが、医療の葵会グループでした。同グループでは2020年8月1日に、JGTOの青木功会長やPGAの倉本昌弘会長が臨席し、再出発の記念式典を開催していました。力強い援軍を得て明るい展望が見えて来たかの様でしたが、約4年後の2024年に経営母体が交代となったのです。
今回M&Aによりマルハン社が取得したのは(株)NIHON.TURF&GREEN社ですが、当該ゴルフ場関係者によれば、マルハン社による積極的取得姿勢が渋る葵会グループを説き伏せた様です。
一社)日本ゴルフ場経営者協会(NGK)は、2024年6月時に於けるゴルフ場への来場者数を、前年度同月と対比した資料を2024年9月初旬に公表しました。
2024年度6月の対象ゴルフ場数は2157。このゴルフ場数にはいわゆるショートコースなどと言われている9ホールコースも含まれていますが、全てのホール数を足しその平均が150メートル以下の場合、プレー代金は非課税になります。この様なゴルフ場は、このゴルフ場数にはカウントされていません。
ところで2024年6月度の来場者総数は、課税対象者6,069,618人、非課税対象者1,951,890人の合計8,021,508人でした。課税非課税ともに増加しており、対前年度比339,193人の増加です。この背景には、今年の梅雨入りが遅く好天が続いたなどの天候要因が大きく作用した、と言うのが多くの方の感想及び見立てです。
昨年コロナがインフルエンザ並みの第5類へ移行して以降、レジャー志向がゴルフ一極では無く分散傾向にある中、ゴルフ界からはゴルフ離れが心配だとの声も聞かれており、実際その様な傾向が見えた時期もありましたが、今回のNGK資料は若干の安堵感を持たせてくれるものとなりました。
東証スタンダード上場の常磐興産株式会社は2024年9月9日、Ontario合同会社(公開買付者)による普通株式の公開買付けに賛同する、として正式に発表しました。
第1回公開買い付けは普通株式1株につき1,650円にて、2024年9月10日より開始されます。常磐興産社の株式総数は、自己所有株式数を除き8,782,584株ですが、第1回目では買付け予定数の下限を4,450,401株に設定されており、この下限数に満たない場合、この度の公開買付けは中止されます。
第2回公開買付け価格は1,240円にて行われますが、この2回におよぶ公開買付けを通じ公開買付者は、常磐興産社を完全子会社化する事を目的にしています。なお公開買付者へは、フォートレス インベストメント グループの関係法人であるOntario Holdings I LLCが99.99%出資しており、この度の公開買付けに関する資金は、フォートレスが運営するファンドから調達されています。
ところで常磐興産社は福島県でスパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースを運営していますが、当然今回の公開買付けが終了しますと、このゴルフ場も公開買付者傘下のゴルフ場になります。フォートレスと言えばアコーディアゴルフ社と深く関係していますが、今後どの様なすみわけが行われて行くのか気になります。
群馬県の草津カントリークラブでは2023年秋より、バングラディシュ人2名を自社採用し雇用開始しています。当初この2名の方々は派遣会社を通じ、2023年春より当該ゴルフ場で、フロント業務などに従事していました。
その後、派遣会社と2名の方々との契約が切れたことから、当該ゴルフ場が自社採用へ踏み切ったと言う経緯が有ります。関係者によれば、当人達は日本語での読み書きや会話が堪能であり、日常業務には全く支障が無く、日本人スタッフとも意思疎通が上手にいっているとの事。
この具体的な手続きを取った社労士事務所によれば、いわゆる技術、人文知識、国際業務と言われる資格にて、厚生労働省の就労資格を取得したとの説明でした。