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『杉の木台ゴルフクラブ』特別清算のゆくえは?

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 福井県の『杉の木台ゴルフクラブ』を経営する株式会社タケダ開発は、2025年3月5日福井地裁より特別清算開始命令を受けた事から、今後の成り行きが注目されます。

 特別清算申請代理人は、平井貴之弁護士(三浦法律事務所・03-6270-3550)、服部弘志弁護士(シティ法律事務所・03-3580-0123)、堀江龍起弁護士(シティ法律事務所・03-3580-0123)の3名ですが、現在同社は前代表者の武田茂氏が代表清算人になり清算業務中です。

 債権者約1370名に対し約46億2000万円の負債を抱えたとの事ですが、主に収益悪化を主要因とし今回の手続きに至っています。申請代理人によれば、一部報道に有ったゴルフ場事業譲渡先として名前の出た株式会社ノザワワールド(代表取締役:野澤敏伸)については、3月24日時点で決定事項では無いとしています。

 ノザワワールドを譲渡先とした計画があるものの、現時点では裁判所からの決定を得られるに至ってない、と言うのが正確な状況把握になるのだと思われます。

PGMが『竜王ゴルフコース』を取得

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 パシフィックゴルフマネージメント株式会社(PGM)は滋賀県の『竜王ゴルフコース』を、2025年3月初旬に取得する契約をしたとして、2025年2月19日に広報を通じ明らかにしました。

 当該ゴルフ場はかつてパブリックにて西武ホールディングスのゴルフ場でしたが、同社が2022年9月にGIC Private Limitedが出資する「ザ・ホテリエ・グループ竜王合同会社」へ譲渡し今日に至っています。所有会社は変わったのですが、運営は引き続き西武系の株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドが行っていました。

 今回PGMがこのゴルフ場を取得するのですが、取得する内容は当該ゴルフ場の土地や建物に係る信託受益権です。一般的にゴルフ場取得に使われるM&Aの手法とは、かなり異なります。そして運営に関してはPGMが行うのではなく、引き続き西武・プリンスホテルズワールドワイドが行います。

 表向きは何も変わらない様に思えると共に、PGMグループ会員の特典利用は一切出来ないのが、大きな特徴になっています。
 ところでGIC Private Limitedによるゴルフ場売却は単発的動きなのか、それとも連動して他の売却案件が浮上するのか、大変気になるところでは有ります。

小山ゴルフクラブが東京建物リゾートへ譲渡

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 栃木県の小山ゴルフクラブを経営する株式会社小山カントリー俱楽部は2025年4月1日より経営が、東京建物リゾート株式会社へ交代する事を2025年2月に入り公表しました。これは同年2月7日に開催された、同社の株主総会の決議を経てのものです。

 この総会開催に当たり事前に議事内容が、会員株主へ配布されていた為、総会当日は大きな混乱も無く閉会しています。この情報は、瞬時に地元を中心に知れ渡っており、あきらめと安堵そして期待と様々な感情が入り交じり、多くの関係者の中に流れています。

 当該ゴルフ場は春光グループによるもので、1959年11月に仮開場しています。名門クラブと言われながらも近年、会員権価格が上昇する事も無く、低空飛行している状態でした。これを裏付ける様に、第66期2023年12月末時点での売り上げは377,343千円、経常利益は11,338千円でした。

 2023年度の年間営業日数339日に対し、来場者数は20,635人です。一日平均約60人、約15組の来場者と言う計算が成り立ちます。あまりに少ない来場者数であり、日本では珍しい個人オーナーのプライベートクラブかと、見間違う程の光景です。従業員は17名に留まっており、売り上げの内容から多くの正規スタッフを、雇用出来ないのだと思われます。

 この様な中、2025年時点で12コースを運営する東京建物リゾートへは、大きな期待感が高まっており、望まれるのは活気のあるゴルフ場への大転換だと言えます。

 2025年1月31日予定通り株式会社平和は、株式会社アコーディア・ゴルフの親会社であるPJC Investments株式会社の全株式を取得し子会社化しました。同日PJC Inv.社は株式会社アコーディア・ゴルフホールディングスへ商号変更すると共に、本店所在地を此れ迄の港区西新橋より、台東区東上野1-14-7へ変更しました。

 また代表取締役についても石井歓氏に代わり、パシフィックゴルフマネージメント株式会社(PGM)の非常勤取締役である三好康之氏が、同日就任しています。同氏は1984年4月に旧・株式会社住友銀行へ入社し、以降数社の企業役員を経て2017年4月に、平和及びPGMの特別顧問へ就任していました。

 この度の株式取得により平和は、321ゴルフ場を保有する事になりましたが、これは世界でも例を見ない規模と言えます。今回この買収を記念し、平和とPGMそしてアコーディア社が三位一体となり、2月28日から3月1日までの2日間、沖縄県の「PGMゴルフリゾート沖縄」にてチャリティゴルフを開催します。

 この大会は此れまで『HEIWA・PGMチャリティゴルフ』として開催されて来ていましたが、衣替えをし『PGM×ACCORDIA チャリティゴルフ』となります。現状目に見える変化は少ないものの、徐々に巨艦が足跡を残して行くのだと思われます。

 株式会社エイチ・ジェイと株式会社仙台空港カントリークラブは、2024年12月17日に連名で「株式譲渡契約締結についてのお知らせ」を、関係各位へ送付しました。その内容を視認し易く、図式化したのが下記表です。

 このお知らせにて両者は、これ迄の経緯と現状を述べていますが、主要な内容は次の2点に集約されます。
 1点目は(株)仙台空港カントリークラブに対する会社更生手続きが東京地裁及び高裁に於いて棄却された事、2点目はSW開発の破産管財人が裁判所の許可を得て、(株)仙台空港カントリークラブの全株式をエイチ・ジェイへ譲渡した事です。

 (株)仙台空港カントリークラブの運営は2023年2月より、WO側が民主的手続きを経ず、それまで運営に携わって来たエイチ・ジェイ側スタッフを強引に排除する形で行われて来ている事から、エイチ・ジェイ側がこの運営権を取り戻すべく裁判闘争を行ってきていました。狡猾な手法で裁判を翻弄するWO側に対し、エイチ・ジェイ側は東京地裁及び高裁から有効な回答を勝ち得なかった、これが裁判闘争に於ける結果でした。

 この様な中SW開発の破産管財人は、裁判所の許可を得て同社が保有している(株)仙台空港カントリークラブの全株式を、2024年12月11日エイチ・ジェイへ譲渡したのです。これにより約1年10ヶ月ぶりにエイチ・ジェイ側は運営を取り戻すと共に、WO側関係者を同ゴルフ場運営から排除し得たのです。

 しかしこれで一安心とは行かず、その後WO関係者は強引に当該ゴルフ場施設への立ち入りを試みており、関係者によればガードマンとの小競り合いを繰り返している様です。またWO側は、運営期間中に当該ゴルフ場用地を第三者であるガーデンゴルフクラブ株式会社へ譲渡してしまっている為、この問題は今後尾を引く問題としてエイチ・ジェイ側へのしかかっています。

 当該事件の原点は、SW開発の株式所有割合を半々にした点にあるのですが、日本流の相手を思いやると言う独特の手法が、国際ビジネスでは脇の甘さとなり、痛手を被る形になってしまいました。当該ゴルフ場事件は今回の株式譲渡で一件落着とは言えず、今後も紆余曲折が有り得る様な雲行きです。

平和がアコーディア・ゴルフ子会社化の説明会を開催

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田中耕太郎社長(PGM)、嶺井勝也社長(平和)、三好康之社長(アコーディア社就任予定)

 株式会社平和は、2024年12月19日東京・東上野の本社会場にて、『株式会社平和 アコーディア・ゴルフの子会社化に関する説明会』を行いましたが、会見には株式会社平和・代表取締役社長の嶺井勝也氏、パシフィックゴルフマネージメント株式会社・代表取締役社長の田中耕太郎氏、株式会社アコーディア・ゴルフ代表取締役社長へ就任予定の三好康之氏の3名が登壇しました。
 下記は3者の発言内容を咀嚼し、重複しない部分をまとめたものになります。

嶺井氏
 アコーディア・ゴルフを傘下へ組み入れる事で大きなシナジー効果を得られる。女性を含めた若年層の開拓が、今後の課題であると共に此処に大きな伸びしろが有ると考えている。
 借り入れた金額については、収益増加している現時点で負担感は無く、充分に返済可能と考えている。
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田中氏
 今後もM&A等の手法でゴルフ場を取得して行くが、これ迄はアコーディア・ゴルフ社と競合するケースが多々あり、苦い思いをしたケースも有ったが、今後は双方が手を組んで対応して行けるメリットが出て来た。
 またゴルフ場資材や人材についても、共有化して行ける利点が大きい。
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三好氏
 グループ内の173コースの中には、例えば成田ゴルフ倶楽部の様にPGMグループのGRAND PGM同等のグレードとサービスを提供しているコースも有り、将来的には可能性としてPGMグループとの組み換えも考えられる。
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 321コースと言う世界最大規模となる平和のゴルフ事業ですが、2025年1月31日巨大船の船出になります。

 東証プライム上場の株式会社平和は、PJC Investments株式会社の全株式を取得し子会社化する契約を、保有会社であるPJC Investment Holdings L.P.との間で締結する事を、2024年12月18日に開催された取締役会にて決議すると共に同日実行した事を、同じく同日に広報を通じ明らかにしました。

 PJC Investments株式会社は株式会社アコーディア・ゴルフの全株式を保有している事から、平和は2024年11月末現在173コースを擁するアコーディア・ゴルフを孫会社化し、傘下へ組み入れる事になります。既に平和傘下のPGMグループは、11月末時点で148コースを所有しておりますので、平和は結果的に321コースを保有しますが、これは世界でも例を見ないものです。

 今回この平和の取得費用は概算5120億円になりますが、2025年1月31日にPJC Investment Holdings L.P.へ決済されます。なおこの費用全額は、三井住友銀行とみずほ銀行から期間7年間の予定で、決済日同日に借り入れる予定にしています。

 平和は遊技機専業メーカーから総合レジャー企業への成長を目指し、2011年12月にPGMホールディングス株式会社を取得した訳ですが、ゴルフ市場は今日再拡大の局面にあるとの判断から、ゴルフ事業強化へ向けこの度の取得に至っています。この度の株式取得に当たっては、野村證券、SMBC日興証券、みずほ證券をアドバイザーとして、法的側面はベーカー&マッケンジー法律事務所を起用しています。

 なお平和によれば、PGMとアコーディアのゴルフ場運営統合は想定せず、双方の特性を活かす方針であり、シェアを奪い合うと言う弊害は無いとの判断です。

群馬カントリークラブは2024年12月末をもって閉鎖

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 群馬県の群馬カントリークラブを経営する株式会社ジーエスコーポレーション(代表取締役:須田公次)は、2024年12月末をもって当該ゴルフ場を閉鎖するとして、関係者へ2024年10月10日付けの書面を発送していました。

 「閉場へのご案内」と題した書面の一部を抜粋するならば、「この間長引く不景気やゴルフ人口減少、ここ数年来コロナ禍、厳しい経済環境の中、様々な誘客対策や新規会員募集など生き残りを模索し続けましたが、解消する目途が立たずゴルフ事業をこれ以上経営することに困難な状況のため今シーズンをもって閉鎖する」としています。

 なおジーエスコーポレーション社は前経営会社である栄和土地開発株式会社が、約60億円の負債を抱え2010年2月東京地裁へ民事再生法の適用を申請した事から、同年6月地裁の許可を得て当該ゴルフ場を取得していました。そして約14年が経過した今日、自らの手で閉鎖の道を選ぶ事になりました。

 当該ゴルフ場の関係者によれば、現時点で今後のゴルフ場用地活用方法については、未定としています。

 栃木県の烏山城カントリークラブを経営する株式会社烏山城カントリークラブの代表者が、加藤智生氏より李俊(リ ジュン)氏へ2024年11月29日に交代しました。

 これは経営母体会社の変更に伴うものですが、これ迄同社の株式を保有していたのは株式会社加山(代表取締役:加藤智生)でしたが、2024年11月29日に株式譲渡が行われ、現在は中国・香港株式市場へ上場している同程旅行控股有限公司です。株式銘柄名は同程旅行HD(トンチェン トラベル ホールディングス)になります。

 同程旅行HD社のWebサイトによれば、交通機関の発券サービスや宿泊予約サービスを展開する事業を、行っているとの事です。今回どの様な目的で当該ゴルフ場を取得されたのか、その辺は現時点で明らかにされていません。

 当該ゴルフ場関係者によれば、会員制を維持した状態は今後も継続し、会員権の名義書換を停止にする予定は無いとしています。現時点で当該クラブには個人と法人を合わせ602名、特別法人16社が在籍しています。なお徒歩1分ほどの隣接地には、142室を擁する烏山城カントリークラブホテルが有ります。

浜田ゴルフリンクスは2025年2月3日PAGへ事業譲渡

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 株式会社アコーディア・ゴルフが経営する島根県の浜田ゴルフリンクスは、2025年2月3日をもって事業譲渡されます。これはアコーディア社が広報を通じ、2024年11月15日に明らかにしたものです。

 譲渡先はアコーディア社の表現を引用するならば、「アジア太平洋地域に特化したオルタナティブ投資運用グループのPAG」との事です。このPAGの支援のもとに、新たに設立される浜田ゴルフリンクス合同会社が、当該会員制クラブの運営に当たるとしています。

 当該ゴルフ場の開場は1997年6月1日と比較的歴史は浅いのですが、集客に苦しみ旧経営会社である浜田観光株式会社(代表_安井慎二)は、2014年5月15日に広島地裁へ自己破産を申請するなど、紆余曲折を経て今日に至っています。

 事業再生にはたけているアコーディア社ですが、同社をもってしても譲渡せざるを得ない状況だとするならば、PAGの手腕に期待するものが大きいと言わざるを得ないのですが、将来どの様な活用方法を描いているのか注目されます。