山梨県が約30年ぶりにゴルフ場開発へ舵を切る

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 山梨県が約30年ぶりに、ゴルフ場開発へ向け舵を切る事になりました。これは2024年6月11日(火曜日)、長崎幸太郎知事による定例記者会見で明らかにされた内容です。

 同県に於ける新規のゴルフ場開発は、1973年に制定された「山梨県ゴルフ場等造成事業の適正化に関する条例」及び「条例施工規則」などへ、総量規制を盛り込んだ1993年10月より、実質的に開発不可能な状態となり今日に至っています。
 この当時、ゴルフ場開発に対する風評は、バブル経済の崩壊と共に険しいものでした。乱開発、環境破壊、人体に害を及ぼす農薬散布等など上げれば切りがない状況で、開発賛成派の主張を通すには無理が有り、またそれを肯定する資料も乏しかったと言えます。

 しかしながら今般、山梨県議会に於いて、県土の強靭化と高付加価値化を推進する為には、ゴルフ場開発が適当なのではないかとの意見が上がり、県は『地域の意向を十分尊重するとともに、自然環境との調和が図られる開発につきましては、これを認めることといたします。』(『』内は会見内容を引用)としたのです。
 地域開発を担う上でゴルフ場の存在意義や役割が、あらためて再認識されて来たのだと思われます。

 この日同議会へ上程された第77号議案の改正案は、賛成多数にて可決された為、今後は個々の申請を待つばかりとなりましたが、受付窓口の県森林整備課によれば、2024年7月18日時点で開発計画申請は皆無の様です。今後想定されるのは、増設計画では無いかとしています。

 ところで新規にゴルフ場を開発する為には多くの費用を要し、かつてはインフレ経済を背景にした会員募集による資金調達が、建設費用負担の大きな部分を賄っていた訳ですが、今日その様な魔法の杖が有り得る状況では有りません。この度の山梨県の規制緩和をゴルフ業界は、大局的観点から喜べたとしても、有効活用と言う意味では未知数の点が多い様に思われます。