2019年9月9日未明に吹き荒れた台風15号により、千葉県市原市のゴルフ練習場・市原ゴルフガーデンの鉄塔が倒壊し、近隣住民の家屋が押しつぶされた出来事は、今だ記憶に新しいと思います。命を失う方が一人も居なかった事が、不幸中の幸いだったと言えます。
その後被害を受け住み続ける事が出来なくなった地域住民は、同練習場経営者W氏へ損害補償を求める事となったのですが、この問題の解決に当たったのがW氏側代理人の秋野卓生弁護士でした。秋野弁護士は通常の裁判では無く、裁判外紛争解決手続(ADR)により本和解へ導いたのです。
和解内容に付いて秋野弁護士は、守秘義務の関係から公開出来ないとしておりますが、当時W氏が語っていた内容は、練習場用地を売却する事で、補償費用を捻出したいというものでした。双方様々な思いは有ると思われるものの、約1年3ヶ月での和解は通常の裁判と比較し期間も短く、一重に千葉県弁護士会の災害ADRへあっせん申し立てをした結果と言えます。
今回の事件は、屋外でのゴルフ練習場経営にとり、様々な教訓を残しました。今後この教訓をどの様に活かすのかが、ゴルフ業界に問われています。なお倒壊事故発生後間もなく、鉄塔撤去へ名乗りを上げ、無償で作業をおこなった東京都江戸川区の株式会社フジムラの存在を、最後に記しておかなければなりません。