ゴルフの発祥について広く知られているのは、「イギリスに於ける羊飼いの遊びから発展」と言う内容だと思われます。今回、大塚和徳氏が書かれた「ゴルフ五番目の愉しみ」から、この点に関しより詳しく見て行きたいと思います。
大塚氏はスコットランドなどに於ける古い資料を読み解きながら、ゴルフ発祥について下記の4点を挙げております。
1.15世紀半ばオランダのコルフェンをスコットランド商人がリンクスで導入。
2.13世紀終わり旧北フランスで流行っていたコールを、スコットランド軍が持ち帰り発展。
3.スコットランド人自身が創り出した。
4.牧童が杖で丸い石ころを打って兔の穴に入れていた。
上記3番については、あくまでも推測の域を出ないものだとしており、更に良く言われている4番は、ロマンティック・ストーリー以外のなにものでも無い、としております。可能性が高いのは1番であり、貿易などの実態経済を見た場合、その様に考えるのが自然だとしております。
では1番について若干詳しく大塚氏の説明を、著書から下記カッコ内へ要約してみました。
「 スコットランド東端は羊毛や毛織物の産地であり、主要な輸出先はフランドル地方と言われた現在のオランダである。フランドル地方では冬の間、氷上で球を棒で打つコルフェンと言うゲームが流行っていた。スコットランド商人が故郷へこのゲームを持ち帰り、アレンジされリンクスで流行って行った。」
これらを裏付ける書物以外の物証としては、オランダで描かれたコルフェンを楽しむ絵画、或いはスコットランドでは初期の段階で、ゴルフボールをすべてオランダから輸入していた事などが、上げられるとしております。
この様に見て来るとゴルフの発祥とは、「15世紀半ばにスコットランド商人が、オランダで流行っていた氷上のコルフェンと言うゲームを、故郷のリンクスで導入し発展させた」、と言うのが現時点での最有力説になるのだと思われます。
此れ迄日本社会で言われてきた「羊飼いがウサギの穴へ」的な話は、ある意味「むかし昔あるところに」と伝承されて来た日本昔話と同類のものであり、大塚氏の研究に基づく内容は、現時点でより正確なゴルフ起源説に近づいたものとして、定着して行く事と思われます。