九州エリアである福岡県のゴルフ会員権相場、その一部コースに於いて値上がりが顕著に見て取れます。これは当然福岡県全般に当てはまる訳では無く、下記の様な以前より評価の高かったコースに限定された現象です。
・福岡カンツリー倶楽部(和白)
・芥屋ゴルフ倶楽部
・小郡ロイヤルメンバーズクラブ
・志摩シーサイドカンツリークラブ
これを検証する為、芥屋ゴルフ倶楽部の値動きを、若干追ってみたいと思います。当該倶楽部の会員権相場は、バブル経済期の最高値をピークに以降下降曲線を描き、ボトムは2011年、2012年、2013年の数年だったと言えます。ここが底値圏として形成されており、その相場の中値価格は130万円ほどでした。
ところが6年ほど経過した昨年2019年の中値価格は350万円ほどであり、底値圏からは約200万円上昇した事になります。5年から6年をかけ徐々に上昇した様でが、感覚的には常に品薄感があり、需要に対し供給が追い付かない状況なのだと思われます。
この辺の様子を地元の会員権業者に伺ったところ、「売買件数はそれ程多く無いものの、売り案件が出て来ると短期間に成約する」様で、会員権価格に関する交渉も買い手より無理な下げ希望無く、自然にまとまって行くとの事です。買い手は地元の法人が多く、その企業業績の良さと優良クラブ会員権の安値感が、購入動機になっているものと思われます。
先ほどの業者によれば、「優良コースが本来有している内容を、ユーザーに正当評価されてきた結果」との事です。しかしひとたび関東圏に目を向けるならば、その様な会員権銘柄が少ないだけに、インフレ経済とは言えないこの時代に於いて、珍しい現象の様にも思われます。
ゴルフ業界特に会員権業関係者にとって福岡県のこの動向を、一地方の単なる経済現象として、見過ごしてはいけないのではないでしょうか。此処にはゴルフ会員権に関わる環境を大きく左右する、示唆に富んだ内容が含まれている様にも思われます。今後も大いに注目して行く必要が有ります。