2019年ジャパンターフショーは今回、千葉県千葉市のフクダ電子アリーナを会場にし、11月7日から8日の日程にて開催されております。今回の出典会社は57社、セミナー開催会社も17社にのぼり、関係者によれば初日の出足は大変好調との事でした。来場者の中心はゴルフ場関係者ですが、関心の高さを伺えるものとなっております。
7日の初日に取材した先は一季出版株式会社が主催した、「コース設計者が考える樹林(帯)修復」と題するセミナーです。設計家の嶋村唯史を講師に迎え、サニーCCの小林祐治社長と大洗GCの小野瀬貴之キーパーが、実体験に基づいた補足説明を行う形で行われたのですが、持ち時間の少なさから消化不良気味となってしまったのが惜しまれます。
嶋村氏の講演の内容を、下記へまとめてみました。
『ゴルフコースの評価は必ずしも木で決まる訳では無いにも関わらず、日本に於ける木に対する神格化傾向は、コースが本来有している戦略性を阻害しだしている。
日本で歴史のあるコースは、多くがクラブハウスの建て替え時期を迎えている。同様に木も大きく成長しており、現在コース管理上から問われているのは、育てるのでは無く伐る事だ。しかし野放図に伐れば良いのでは無く、木にも設計上の役割が有りそれを無視してはいけない。
木を管理するとは風の道と水の道を理解し行うものだが、この点がコース管理のポイントにもなって来る。水は栄養を運ぶ血管であり、風の道はコース全体の呼吸を意味する。この二つの要素が絡みあってゴルフ場は、出来上がっている事を知る必要が有る。』
木を切る事に付いては、かねてよりコース管理の必要性として叫ばれ久しいのですが、今回嶋村氏はその内容を論理上詳しく説明したものと言えます。なお同ターフショーは本日も開催されており、JR蘇我駅を下車し徒歩8分程で会場へ到着出来ます。様々なコース管理用品が、今回も又展示されております。