東京都下の多摩カントリークラブでは、入会手続きに於いて、事前審査方式を採用しております。同クラブでは入会審査時に、現名義人の譲渡書類提出を求めていない事から、先ず入会申請者が同クラブ会員として相応しいか否か、その審査が先行し行われます。
書類審査や面接などを経て入会承認がクラブより下りますと、入会申請者は次の段階として会員権の売り物を、市中で探す事になります。そしてその譲渡者(名義人)の書類を提出出来る有効期限は、原則として入会承認後半年以内と定められております。
入会申請者は自らの意に沿った価格の物件を手当て出来たならば、そのものをクラブへ単に提出すれば良く、手続きは至極単純明快と言えます。しかし此処で注意しなければならない点は、名義人の印鑑証明書有効期限が、3ヶ月以内で無ければならない事です。
バブル経済華やかな頃、今から28年ほど前は先ず会員権を手当てしてから、入会申請するケースが大半でした。それと言うのも入会承認が下りるまでの数か月間で、会員権価格が値上がりしてしまう可能性が有ったからでした。当時の会員権価格は、現在とは比較に成らない程高額であり、場合によっては入会者の予算上の問題から、入会を断念せざるを得ないケースも想定されたのです。
この事から会員権の売り手である名義人には、会員権売却時に印鑑証明書を1通提出してもらい、更に入会申請者の入会承認が下りた後に2通目を出して頂くなどは、一連の売買行為として日常的に行われておりました。入会申請者は名義人の2通目印鑑証明書を取得出来るか否かが、当該クラブ会員権を取得する上で重要な要素だったのです。
しかし現在は会員権価格も安価になり、また比較的大きな会員権相場の浮き沈みも見られない事から、入会申請者は落ち着いて入会手続きが出来る環境になりました。ですからリスクを冒してまで、会員権の先買いをしなくても済む様になったと言えます。