2019年2月27日今国会の予算委員会第7分科会に於いて、立憲民主党の衆議院議員である阿久津幸彦氏が、ゴルフスタジアム(以下GS)事件を取り上げました。この中で阿久津議員は、出席した経産省の世耕大臣をはじめとした消費者庁、金融庁、スポーツ庁の各担当者に対し、この事件の核心部分を丁寧に質問すると共に、有益な回答を引き出したのです。
特定商取引法や割賦販売法に於いて個人事業主は、保護の対象に成らないのかとの同議員による質問に対し、関係する省庁担当者からは、一般的に個人事業主による営業目的のローン契約は、対象に成らないとの事でした。しかしながら個別事案に対しては、精査する必要が有るとの回答も、同時に得られたのです。またクレジット・リース業界団体へは、グレーなものへの自主的浄化システムの導入も考えられ、更には個人事業主への支援も視野に入れる必要が有る、との発言を引き出す事が出来ました。
この事件はティーチングプロなど個人事業主に対し、ホームページを造りませんかとGS側が持ち掛け、便宜的にスイングソフトをローンで購入させた後、GS側が機能不全に陥り、ティーチングプロなどに負債のみが残り社会問題化しています。このローン契約がティーチングプロなどの個人事業主にとり、営業目的で無い点は明白なのですが、クレジット・リース会社は正当なものだとの主張を崩していません。
形式的にでもクレジット・リース会社と個人事業主が、事業用の契約書を用い契約した場合、消費者保護規定が適用されないのが現状です。この法の抜け穴を巧みに利用されおきたのが、今回のGS事件です。阿久津議員はこの様なトラブル回避の為にも、法改正が必要であるとしたのに対し、世耕大臣からは明確な返答を得られませんでした。しかしながら否定もされなかった事は、今後に含みを持たせたものに成りました。
同議員はこの度のGS事件には、公益社団法人日本プロゴルフ協会(以下PGA)会員が多数まき込まれている事から、PGAによる会員に寄り添った、何らかしらの対応も必要との認識を示しました。
PGAでは昨年春にGS事件が社会問題化する中、会員が破産に追い込まれたとしても資格をはく奪しないとし、ティーチングプロによる生活の糧を奪わない対策を取りました。しかしながらこの程度では不十分ではないのかとし、「相談窓口の創設」などあってしかるべきと、同議員は述べました。
これに対しスポーツ庁担当者からは、<しっかり受け止める>諭旨の発言を得られたのです。今後第二第三のGS事件を発生させない為にも、PGAによる会員教育更には保護対策が、急務になって来るものと思われます。
この度の阿久津議員による国会質問は、「守る会」を勇気づけさせたとも言えますが、社会矛盾を正す事こそが重要な問題で有り、同議員の趣旨もその点にあったのでは無いかと思われます。この度の国会質問がどの様な影響力を及ぼして行くのか、GS事件は今まさに係争中の案件であるだけに、関係各位に於ける今後の動向が注目されます。