神奈川県のレイクウッドゴルフクラブは、法人接待用ゴルフコースとして大変有名です。パブリックコースとして開場した同クラブも1982年には会員制へ移行し、その高額募集はゴルフ業界を中心に大きな注目を浴びました。
ところがやはり多くのゴルフ場と同様に、同クラブもバブル経済崩壊の洗礼を避ける事は適わず、2004年8月16日の法的整理を経て今日に至っております。倒産直前の2004年8月初旬に於ける同クラブ会員権売買気配は、売り3,200万円に対し買いは2,400万円でした。
その後倒産ショックから一時的に、極端な安値買い注文が散見されました。しかしながら特別清算案が債権者集会で可決された2005年1月25日の売買情報は、売り2,000万円に対し買い希望は1,120万円をつけており、同ゴルフ場に対するニーズがいささかも衰えていない事を証明して見せたのです。
多くのゴルフ会員権相場は、日本のデフレ経済進行と共に下降線を辿って来た訳ですが、同クラブの会員権は法的整理以降どの様な経緯を辿ったのでしょうか。これを探るべく底値圏と思われる2014年1月から2016年末までの3年間に付いて、その相場動向を調査してみました。
この調査から得られた結論は、2014年6月20日に付けた売り希望850万円買い希望400万円、この気配が同クラブ会員権相場の底値だった事が解りました。売り5件に対し買いは2件のみでしたから、明らかに買い手市場だったのです。2014年は年間を通じて売りが先行し、気配そのものが弱含みでした。ある意味2014年の1年間そのものが、当該会員権相場の底値圏だったと見る事も出来ます。
2015年の大半は一時的に買い希望が旺盛に成った時期もありましたが、基本的には700から750万円を気配の中心値とした閑散な動きだったと見れます。しかしながら2015年11月下旬頃より、買い希望が増加しだし品薄状況と成ったのです。明らかに売り手市場へと転換して行ったのが、一目瞭然と判別する事が出来ます。
2016年2月3日より売り情報が市場から消える反面、買い件数が増加し共に金額もアップして行きました。約4ヶ月が経過した6月17日、久々に市場へ売り情報1件が1,180万円として出て来たのですが、買い希望は800万円にて10件も入っておりました。明らかに売り手の言い値で無ければ、購入出来ない様な状況だったと見る事が出来ます。
この様な3年間の動向を調査する事で得られた当該クラブ会員権相場の結論は、大底を脱し緩やかな上昇過程にある事です。手探りでの調査でしたが、一つの結論が得られた事は大いに有意義だったと言えます。