千葉県のゴルフ場・ブリック&ウッドクラブ(以下BWC)は、ミュアヘッド・フィールズの一角にあります。ミュアヘッド・フィールズとは当該ゴルフ場と、閉鎖型コミュニティである約9万坪を擁した土太郎村(ドタロウムラ)とで、構成されております。
土太郎村の開発は今をさかのぼる事約7年前の2010年より、ゴルフ場に隣接した自然豊かなエリアへ、出来る限り地産地消の材料での家造りとして着手されました。2012年より第一期工事地区に家が建ち始め、昨年2016年には37軒となり、今後村全体で100軒ぐらいが建つ予定です。
この閉鎖型コミュニティである土太郎村へ、集まる人々の方向性は下記の4点に集約出来ます。< 1.新しい生き方の追及 2.地産地消 3.エコフレンドリー 4.直接民主主義 >
敷地内では4.3メガワット規模の太陽光発電を行っており、住宅建設には村で伐採された杉やヒノキが使用されております。また住民相互はプライバシーを尊重しつつも絆は強く、年6回開かれる村民定例会では様々な課題が話し合われております。この様にして村民は、生き生きと豊かなライフスタイル実現を、目標としております。
当該ゴルフ場は1994年頃有志により『日本に無いクラブ』造りが発想され、そのコース設計をデズモンド・ミュアヘッドへ1996年依頼する事になりました。2000年にコースが開場したのですが、会員構成は株主として、会員自らが経営に参画する方式としました。
会員がボランティアで自主運営して行くクラブですが、その経営基盤は会員の年会費と、会員による最低消費額負担制度(ミニマム・ユース)によって成り立っています。クラブはスルーのセルフプレーを基本としつつも、プレーのみではなく会員相互の交流を主眼としたイベントなども数多く企画されており、また近年はジュニア対策にも力を入れています。
速足でミュアヘッド・フィールズを視て来ましたが、これは現在の日本がこれまでとは全く異なった社会構造へ突入し、新しい価値観の創造無しに未来が開けない事を、証明しようとしているのでは無いかと思われました。ゴルフ場を含めた自給自足のコミュニティーを、垣間見る事が出来た様に思われます。