清水直弁護士著「あきらめるな!会社再建」を読んで

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 2001年4月26日に初版が発行された清水直弁護士の「あきらめるな!会社再建」を読んだ。第1刷が4月26日で、6月20日には第4刷が発行されており、私が手にしているのはその第4刷である。

 1版で何千部何万部印刷したのかは、知る由も無いが、ほんの2ヶ月間で4刷とは想像を絶する人気だったと言えるのでは無いだろうか。書店で平積みにして、飛ぶ様に売れたと言う事で有ろう。如何に本書を必要としている方々が、多かったかを物語っていると言える。この売れた背景には、著者の弁護士としての手腕や人柄、著書の内容も大変評価されての事だと言えると共に、2000年4月に民事再生法が施行されたと言う事も、見逃せない点では無いだろうか。

 1990年2月をピークとしたバブル経済も崩壊し、約10年が経過した日本は、今日メガバンクと言われる当時の都銀が、不良資産に苦しみ、その後金融庁による公的資金導入へと道筋をつけるのだが、何とも閉塞感が漂う重苦しい雰囲気が社会をおおっていた時期でもあった。この様な中で、多くの企業が法的整理へと突き進んで行ったのである。それは会社更生法で有ったり、破産で有ったり、民事再生法、和議などで有った。本書は五章で構成されている。

  1. 企業再建の目指すところ
  2. 再建の効果的な実践方法
  3. 赤字の原因を突き止める
  4. 改善策の策定と実行
  5. むすび 再建は初めに人ありき

本書を読み進んで行くと、著者が実際に係った事案を引き合いに出し、具体的に記述されており、ポイントが適格に示されている。そして企業再建の本質とは何かを語っている。

 ところで著者はゴルフ場の再建にも多く係っている。特に浜野ゴルフクラブに於けるアコーディアゴルフと自主再建を目指す会員の闘いは、記憶に新しいところであり、近代日本ゴルフ史に大きな足跡を残した大事件で有った。この闘いに於いて、会員側の代表弁護士として活躍したのが、清水直氏で有った。清水弁護士無くして、この闘いは語れないと言っても過言では無く、会員側勝利へ導いた要石で有った。

 その著者がこの度、千葉県のスカイウエイカントリークラブに於ける闘い、まさしく浜野ゴルフクラブと同様のアコーディアゴルフに対する闘いに、会員側弁護士として立ち上がったと言う。本書は専門用語も少なく、読み易い文章構成と成っている。

  • 著 者  清水 直
  • 発行者 浅野 順次
  • 発行所 東洋経済新報社