埼玉県の飯能ゴルフクラブでは2020年6月21日に開催された会員総会に於いて、会員資格の継承範囲について規定した「クラブ規則第7条4項」を改定しました。
此れ迄の規定は、『会員の退会または死亡したときは、その法定相続人並びに法定相続人の配偶者及び子は継承出来る』としていたのに対し、この度の改定は『その法定相続人及び三親等内の親族又はその配偶者』へと、継承範囲が大幅に拡大されました。
これは俗に伯叔父母、甥・姪、曾孫そしてその配偶者までを指す事から、ある意味被相続人の系図の範疇であれば継承可能になったと、言えなくも有りません。今回の改定をどの様に、読めば良いのでしょうか。
一般的に歴史の有る名門クラブでは、その特性として閉鎖性が話題に成ります。当該クラブに於いてもその面は、多分に有していると思われますが、これは会員権市場でどの様に反映されるのかと言えば、流通性の悪さとなって表面化するのです。
今回の改定はこの弊害を緩和する為、取られた措置と深読みする事も出来ます。2020年7月時点での一般的入会コストは約500万円ですが、その内会員権価格が占めているのは一割ほどです。この様な低い価格評価は、会員権市場での需給バランスが、悪い事にも起因しております。
今回の改定はクラブ側が、会員親族に会員資格を継承して欲しいと言うシグナルを送った訳で、かたや会員親族にとっても歓迎すべき事態なのだと思われますが、やはり継承し易い環境づくりも、今後の対策として不可欠な要素になって来るのではないでしょうか。
今回の改定が有効に機能し、売り圧力を阻止し得る様になるのには、まだまだ時間の経過が必要な様にも思われます。