千葉県のブリック&ウッドクラブは2000年5月に開場し今日に至っておりますが、開設時より床材にはフローリングを採用しております。一口にフローリングと言ってもその素材は様々ですが、同ゴルフ場ではピンカドーとダグラスファー、そしてケンパスの3種類を使用しているとの事です。
門外漢にとっては何とも聞き慣れない木材の名前ですが、当該ゴルフ場ではレストランなどを中心に、多くの箇所でピンカドーを使用しており、ある意味メインの木材になっています。それを補完する形で、その他部材が使用されておりますが、例えば階段はケンパスで施工されており、それはかつて電車の枕木にも多用された経緯があり、日本でもなじみ深いものと言えます。
ピンカドーとはミャンマー産の木材であり、ミャンマーチークよりは若干軟らかい材質との事です。この床の表面へノコギリ状の傷を着ける事で、足元の滑り止め防止機能を持たせると共に、いずれ時間の経過と共に少しずつ風化して行くであろう状態を、マッチさせる意味合いも含め仕上げたとしております。
当該クラブでは設立時より、ジュータンやカーペットを床材の対象として検討した事は無く、クラブハウスは木を大前提に設計されました。そのコンセプトは「ぬくもり」です。欧米のクラブハウスに例えるならば、会員が一つ一つレンガを積み上げ造り上げて行くイメージ、この会員の思いをハウスで表現出来るのは「木」以外に無いとの判断からです。
現在日常のメンテナンスは、毎日行われる掃除機でのごみ取りとモップ掛けのみです。これまでワックス掛けや補修工事を行った事は無く、通常の管理で100年は維持出来るのでは無いか、と言える程堅牢で清潔です。なおこれまで木を理由に、プレーヤーが雨の日に滑って転倒した、などのケースは皆無としております。