静岡県の富士カントリークラブでは2018年4月1日より同年12月31日までの9ヶ月間、名義書換料の減額キャンペーンを展開して来ました。このキャンペーンが大変好調である事から、2018年11月の理事会では、2019年4月30日までの4ヶ月間更に延長する事を決定しております。
昨年1月から12月までの1年間に於ける種別変更や、或いは親族間譲渡などを含めた名義書換件数は68件です。この内キャンペーンが開始され4月から12月までの実績は、57件との事ですのでほとんどの手続きが、この期間に行われたと言えます。
クラブでは会員権市場に於ける同クラブの会員権価格が、ほとんど値がつかない1万円未満で売買されている実態を把握しております。なぜ同クラブ会員は、1万円未満で自らの会員権を売却する事について、了としているのでしょうか。それは取りも直さず入会預託金の返還の為です。
入会預託金は入会手続きを取った時期により金額が異なってきますが、150万円もあれば200万円、更には300万円と言う金額も有ります。この入会預託金は、現会員が退会手続きをしたのみでは返還されず、会員権を譲り受けた方が、入会手続きを取らない限り返還はされないのです。
様々な理由により退会を希望する会員が、会員権価格にこだわらず売却を急ぐ背景は、この様な事情によるものですが、そもそもこの様な入会預託金制度を安易に導入した事自体が、囲碁に例えるならば敗着、悪手だったと言わざるを得ないのです。
同ゴルフ場の現場サイドでは、如何にしてこの様な閉塞状況から脱却出来るのか、暗中模索では有るもののその中の一筋の明かりが、現在の名義書換料減額キャンペーンだと言えます。辛抱強く新規入会者を受け入れ、市場でダブついた売却案件を消化して行く以外に、道は無いのだと思われます。
今回のキャンペーンは4月末をもって終了する予定の様ですが、先々はまた暗黒の時代が戻って来る様で思いやられます。