北海道の茨戸カントリークラブを運営している株式会社札幌ゴルフ場(代表取締役:山澤巖雄)は、2018年10月31日札幌地裁へ破産申請し、翌11月1日同地裁より開始決定を受けました。同日破産管財人に選任されたのは吉川武弁護士(吉川武法律事務所_札幌市中央区北2条西13-1-1 / TEL 011-272-0272)です。
同ゴルフ場は札幌市内より車で30分圏と大変交通アクセスに恵まれており、河川敷コースではあるものの外観はその様に見られる事は少なく、風格を備えたゴルフ場です。
昨年2017年には乗用カートを導入すると共に積極的にコース整備も行い、プレーヤーからも大変好評を得ておりました。この評価はゴルフ会員権にも反映され、市中では30万円から50万円の範囲で、頻繁に取り引きされていたのです。市内のゴルフ会員権業者によれば、今年8月までで約10件の取引実績が有るとの事です。
しかしながら2018年9月6日に発生した『平成30年北海道胆振東部地震』の影響により、当該ゴルフ場は甚大な被害を受けました。コース内樹木の倒木や地割れ、そして一部液状化現象が発生し修復には、約3億7,000万円の費用負担が必要との事から、現代表者は今回事業継続を断念したのです。東京商工リサーチによれば負債総額は、債権者960名に対し5億5,128万円との事です。
同ゴルフ場は11月現在開場はしていないものの吉川破産管財人弁護士によれば、当該用地管理者である国土交通省の理解も当然必要となるが、ゴルフ場として事業を新たに行ってくれる企業を、まず開拓していく事が必要だとしております。
この事が債権者へ配当して行く現実的な方策となるのですが、これはある意味ゴルフ場としての魅力を当該ゴルフ場は、まだまだ備えている事の何よりの証左だと、言えるのでは無いでしょうか。当該ゴルフ場を良く知る人物からは、何故破産を選択したのかと、いぶかしがる声も聞こえていました。