2018年11月5日東京都内会場にて、太平洋クラブ御殿場コースを改修したリース・ジョーンズ氏による記者会見が行われ、改修ポイントが説明されたのですが、静かな語り口で控え目な発言でしたが、自信に満ちていた様にも受け取れました。この改修を依頼した太平洋クラブの韓俊社長にとっても、大変満足度の高いものに成った様です。
当該ゴルフ場は太平洋クラブの顔とも言えるもので、日本に於けるゴルフトーナメントでも指折りの名コースへ上げられております。しかしながら韓社長を驚愕させたのは、2016年同ゴルフ場を舞台に開催されたトーナメントで優勝した松山英樹選手が、トーナメントレコードを意識してプレーしたとの発言です。
この発言に触発された韓社長は、賛否両論様々な意見が有る中、17年ぶりとなるコース改修へ舵を切る事になったのです。世界に通じるコースを造る事が、ゴルフ業界全体にとり大変有益になると決意したのです、この改修に白羽の矢が立ったのが以前より交流のあったリース氏であり、プロの観点からアドバイザー(監修)として松山選手を迎えたのです。
リース氏曰く当該ゴルフ場の素材は大変素晴らしく、原設計である加藤氏の意図にそぐわない様、尚且つ現在の世界基準へ押し上げるべき改修をしたとの事です。総ヤーデージは81ヤード延長し7,327ヤードとなりましたが、世界は今ただ単に遠くへ飛ばせば良いと言う傾向に無く、ショットメーカーが勝利出来る様なコースコンセプトが主流になりつつあるとし、同ゴルフ場もその様に造り上げたとしています。
18ホール全てに展開しているバンカーを、同ゴルフ場ではリースバンカーと呼びます。このバンカーこそリース氏が心血を注いだものとなっており、どれ一つをとっても同じものは無く、ハザードとして有効に機能する仕上がりとなっています。
グリーンは1ホールのみを改修しており、その他は手を入れておりませんが、グリーン周りのチッピングエリアを大胆に改修する事で、プレーヤーの錯覚を呼び起こし難易度の高いものと成りました。トーナメントではこのエリアの難易度を更に高めるのですが、氏曰く<プレーヤーへ牙をむく>と表現しております。
トーナメントではパー70で開催されます。これは松山プロの考えでもありますが、6番と11番の通常パー5ホールをパー4と設定します。最終ホールに付いては従来通りパー5に変更は無いのですが、簡単にツーオン出来ない様にしております。これは逆転を狙うプレーヤーがギャンブルに打って出て、劇的なドラマが生まれる様期待してのものです。
リース氏は最後に<ベストプレーヤーが優勝する>と述べ、明日8日から始まる『三井住友VISA太平洋マスターズ』への期待を膨らませました。世界基準となった御殿場コースで日本人選手が、どの様な戦いを見せてくれるのか大変楽しみです。