海外の訪日客をゴルフ業界が如何に取り込むか_対策急務

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                 < NGK大石専務理事 >

 2018年9月19日(水)文部科学省3階講堂にて、「世界のゴルフツーリズムと日本の現状について」と題したセミナーが、(一社)日本ゴルフ場経営者協会と(一社)日本ゴルフツーリズム推進協会の共同主催で開催されました。約2時間に及ぶセミナーは、北海道大学観光学高等研究センター客員教授遠藤正、三重県雇用経済部観光局海外誘客課松本将2氏による講演がメインでした。

 遠藤教授は海外から北海道へ来場するスキー客の動向を詳細に伝える中、その仕事の多くを北海道在住の外国人スタッフが担っていると報告しました。しかしながら訪日外国客の殆どが、スキーを上手に滑れる事よりは、日本文化に触れる事を大きな楽しみにしているケースが多く、日本企業はその部分での取り組みが遅れているとの事です。

 遠藤氏はスキーとゴルフにはその動向に共通点が多く、北海道に於けるスキーのケースを反面教師としつつ、ゴルフでは新しいビジネスモデルの構築が急務となっているとしました。そしてその時間は少なく、日本で開催されるオリンピックは絶好の機会であり、行政と一体となった取り組みが、今ゴルフ場に求められていると訴えたのです。

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         遠藤正教授               三重県・松本将課長

 三重県の松本課長は、三重県に於けるインバウンドの宿泊者数は2013年に年間約13万人でしたが、2015年には約39万人まで急拡大していると報告しました。県ではこの成長分野を捉えるべく、様々な取り組みが行われていて、鈴木知事がベトナムやタイを訪問しトップセールスを行って来たとの事です。

 また組織的には2015年7月に「みえゴルフツーリズム促進部会」を、三重県外国人観光客誘致促進協議会内に設置しました。更にこの組織は2016年に、「みえゴルフツーリズム推進協会」へ発展させてきています。今後はゴルフツーリズムを核とした新たな需要を開拓する中、特に欧米豪のエリアに力を入れて行く必要が有ると結んだのです。

 このセミナー最後にスポーツ庁担当者は、インバウンドと言ってもゴルフが全てでは無く、食や文化などと絡め総合的に取り組む必要が有るとし、偏った取り組みではいずれ地盤沈下する可能性があると、釘をさす事も忘れませんでした。