静岡県の浜松カントリークラブを経営する遠州開発(株)では、2016年6月に開催された取締役会に於いて、20年前の会員募集で入会した会員の預託金について、本年11月の満期以降速やかに返還して行く事を決議したとしております。
2016年9月28日に当該クラブよりこの内容をまとめた資料が、会員当事者へ書留郵便にて発送され伝えられたとの事です。約20年前当該クラブでは、クラブハウスの建替えとコース改良と言う大きな事業が控えており、この資金需要の為に会員募集が行われました。その概略は、下記の通りでした。
- 募集価格 850万円+入会金にかかる消費税
- 預託金額 750万円
- 入会金額 100万円+消費税
- 預託期間 20年
- 募集期間 1996年11月~1998年の4月まで
- 入会口数 126口
この度の預託金返還手続きと共に、引き続き会員として残る方に対しては、様々な特典も設けられております。それは下記の証券分割ですが、この手続きにより発行される新証券は、預託金の据置期間が設けられておりません。この点が大きな特色と言えるのですが、現会員にとっては資産を子々孫々へ継承する上で、大変に有利な商品となっています。
- 例えば2分割 <ご本人+1名へ375万円額面証券を其々計2口発行。>
- 例えば3分割 <ご本人+2名へ250万円額面証券を計3口発行。>
これまで約20年に渡り会員権市場を通じて、当該750万円額面の売り情報を聞いた事も無ければ、名義書換の実績も全くと言って良いほど無かったと言うのが、クラブ関係者及び地元ゴルフ会員権業者の声でした。当該会員からも預託金返還に付いて、不安視する様な発言を聞いた事が無い様です。
バブル経済崩壊以降、預託金の返還請求を重荷として、多くのゴルフ場が法的整理へと舵を切って今日に至っておりますが、浜松カントリークラブに於けるこの度の返還決議は、ゴルフ場・会員権に対する信用不安を払拭する好材料と言えます。
ゴルフ会員権が会員にとって資産形成となり得るのは、とりもなおさず経営のしっかりとしたクラブへ入会する事が、何よりも第一義的優先事項だと言う事を、この度の件は示唆しております。