千葉県は成田国際空港(以下成田空港)の機能強化に付いて、2018年3月13日開催された「四者協議会」に於いて、最終合意が得られた事を同日明らかにしました。四者とは次の1.国交省 2.千葉県 3.成田空港圏自治体連絡協議会(成田市・富里市・山武市・香取市・多古町・芝山町・横芝光町・栄町・神崎町) 4.成田空港を指します。
この四者協議合意内容の大筋の中でゴルフ業界が注目すべきは、機能強化に於けるC滑走路の整備です。このC滑走路は3,500メートルで、現在のB滑走路南側に新設される事になります。そして飛行機の着陸と離陸をまかなうC滑走路最先端の部分が、富里ゴルフ倶楽部を直撃する事になるのです。
成田空港周辺には、様々なゴルフ場が点在しています。B滑走路の側面に位置するキャスコ花葉CLUB空港コース、A滑走路端に位置するTJK成田ビューゴルフコース、A滑走路北側に位置するグリッサンドゴルフクラブとレイクウッド総成カントリークラブと言う様にです。そして現時点でこの4コースとは別に、空港と隣接していないのが富里ゴルフ倶楽部です。
しかしながらこの度の合意計画では、富里ゴルフ倶楽部用地の半分ほどを、C滑走路が占領する事になります。これでは当該ゴルフ場は、ゴルフ場としての機能を維持出来なくなる事が明白ですから、今後空港側よりどの様な対策が示されて来るのか、倶楽部会員を含めた関係者にとっては、不安が増大するばかりだと言えます。
空港関係者によれば、「四者協議会で合意を得られた事からスピード感をもって進めて行く事になる、C滑走路完成までには10年間ほどが目安では無いか」としております。10年後に完成させる為には、少なくとも工事期間に5年を費やすとした場合、現在から5年後の2023年には、当該ゴルフ場は無くなっている可能性が有ります。
成田空港は発足当初より強引な国の手法から、地元住民のみならず大きな国民の反発を招き、今日に至っております。この苦い経験を教訓化した空港関係者は、この度の新設計画に於ける手続き手順を、慎重に行っていると言えます。C滑走路予定用地には富里ゴルフ倶楽部のみならず、多くの民家が点在しております。
この様な当事者との合意無くして新設計画が前進しない事は明白であり、空港側による当事者への補償内容が、今後大きな焦点になって来るものと思われます。国策とも言えるこの度の新設計画ですが、果たして10年後にアジアのハブ空港として成田空港が、機能して行けるのでしょうか。充分な話し合いが求められます。