先月3月28日2度目の民事再生手続きを申請した埼玉県の株式会社鳩山カントリークラブでは、2018年4月4日東京の練馬文化センターに於いて、会社主催の会員向け説明会を開催しました。約850~860人が入れる会場でしたが、半分ほど席が埋まった状態で、午後2時より開始されました。
真下社長によるお詫びの挨拶と、申請代理人の一人である熊谷信太郎弁護士による説明が、終了したのは午後3時頃でした。この中で過去4期に渡る貸借対照表と、損益計算書の概要が示されたのですが、その内容は下記の通りです。
期末 | 預託金残高 | 前期比 | 現預金残高 | 前期比 |
2015年1月 | 3,798,160,000 | 873,122,477 | ||
2016年1月 | 3,617,128,000 | ▼181,032,000 | 679,453,130 | ▼193,669,347 |
2017年1月 | 3,512,120,000 | ▼105,008,000 | 640,390,432 | ▼39,062,698 |
2018年1月 | 3,379,064,000 | ▼133,056,000 | 440,353,375 | ▼200,037,057 |
前回の法的整理では、2015年5月預託金の据置期間満了後、請求が有り次第全額返還に応じる事になっており、その結果が2016年以降に預託金残高の減少として現れるのですが、これは同時に預金残高の減少にリンクしてきていました。
この様な事態に危機感を抱いた真下社長は、償還原資の調達に動き、その活動を会員の補充募集へ求めたのです。数年間に及ぶ正会員と平日会員を募集した結果、192件7億1,300万円ほどを調達出来たのですが、退会者が引きも切らない状況は、伝家の宝刀を抜かざるを得ないところへ、真下社長を追いやったとも言えます。
3時より会員による質疑が行われたのですが、何故退会者が毎年40名前後出てしまうのかと言う声は、大変貴重なものでした。この退会者の構成は、50~60歳前後のアクティブ会員が主流との情報も有り、この点は今後のクラブ運営上大きな課題を提起していると思えるものでした。また現在の預託金を保護する観点から、スポンサーを募る事も一方策なのでは無いか、との声も出て来ました。
更には「突然の事でびっくりしており、会社に問題は無いとの説明を受けて、仲間を誘って平成28年に入会したが、だまされた感じで憤りを覚える」との男性会員の発言は、今回の事件を象徴する様なものだったと言えます。
今後の展望として熊谷代理人は、預託金債務の株式化と当該会員権の相場を高めて行く事で、経営会社の健全化と会員の資産価値向上を獲得出来る、との1プランを語りました。この内容が現実味を帯びるのか否か、7月10日迄には地裁へ再生計画案を提出する必要が有ります。