飛騨高山カントリークラブは特別清算を経て株主制へ

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 岐阜県の飛騨高山カントリークラブを経営しておりました飛騨高山国際観光開発株式会社は、2018年1月11日岐阜地裁より特別清算開始命令が出て、文字通りの清算業務に入る事になりました。

 これまでの経営は赤字を出す事が無かったと関係者は答えるものの、会員約1,750名の預託金約35億円はあまりにも重荷であり、数年前よりクラブ理事が中心になり、善後策を数多くの会員と話し合って来た様です。

 この様な動きが功を奏し2017年11月1日には、同経営会社の権利義務を継承すべく株式会社飛騨高山カントリークラブが設立され、債務の10%を引き継ぐ形で多くの会員が、株主会員制クラブとして再出発する事に同意したのです。

 旧会員の内94%が、この新体制への移行に賛意を示しました。とは言え移行後約500名の会員が退会を選択し、その債権額は9,000万円にのぼります。この金額に付いては、2019年より抽選償還が開始され、対応して行くと倶楽部側では説明しております。

 この度の旧経営会社清算と新クラブ設立と言う手続きは、大きな波風が立つ事無く進んだのですが、この背景には地元会員が90%以上と言う会員構成の特殊性が、少なからず影響したものと思われます。特に外資特有の合理主義には抵抗感が強く有り、その様な勢力の入り込む余地を残したく無かった様です。

 飛騨高山カントリークラブ事件は、とかく特別清算のみに目が行きがちですが、会員の預託金問題をソフトランディングさせ、新株主会員制クラブとして再出発した点にこそ、注目されてしかるべき様に思われます。