長野県の川上ゴルフ倶楽部を経営しておりました(株)甲武信は、資金不足から法的整理の道を選択出来ずに、私的整理にて事業を清算する事になったのですが、若干状況が明らかになって来ました。
ハウス周りを含む全ゴルフ場用地は借地との事で、第三者へ売却するどころか既に賃借契約を地主との間で解除し、返還しているとの事です。では借地の上に建てられたクラブハウスは、どの様になるのでしょうか。当然解体しなければならなくなる訳ですが、これにも費用がかかり、僅かな金額で出来るはずもありません。
この様な過程を経て、ゴルフ場は解体・消滅して行く事になろうかと思われますが、この様な結果を招いたのは、ゴルフ場の収益力が非常に劣っていた事が、最大の要因であったと言えるのでは無いでしょうか。
例えば2013年の売上高は約730万円だったとの事ですが、この期間約1,000人のゴルファーが、当該ゴルフ場でプレーした様で、単純計算すると客単価7,300円と言う事になります。営業期間が5月から11月までの7ヶ月間ですから、1ヶ月平均約142人が来場した事になります。笑うどころか唖然としてしまう数字です。なぜならば多くのゴルフ場が、1ヶ月平均3,000人ほどを、集客目標としているからです。
既に老朽化した乗用カートで有るとか、コース管理用機材については、昨年第三者の名義へ変更されており、換価出来る資産は、ほとんど見当たらないのが現実の様です。この事から在籍する約1,200名の会員へは、全く配当金が無いのではと予想されております。
会員権購入金額は、平均約600万円から700万円であろうと思われますが、会員にとっては惨めで無残な結果になろうとしています。