埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部(以下KCC)が、2020年東京五輪会場として相応しいのか、と言う問題に関し多くの意見が飛び交っております。そして2017年2月に入り注目されている大きな関心事は、KCCが女性正会員への扉を開き、障害になっていると言われる細則を、変更するのか否かと言う事です。
五輪開催者側からKCCへ突きつけられている問題は、1.女性が正会員になれない倶楽部は差別的でありオリンピック憲章_(全ての個人は性別によるいかなる差別を受ける事無く、スポーツをする機会を与えられなけらばならない)の基本原則に反する為、(倶楽部の規則を変更して下さい)と提起されている事です。
少し時間的にさかのぼり、KCCが選出された経緯をみてみるならば、下記の様な成り行きでした。2012年8月30日に開催された第3回招致委員会は、1.コース、2.個別の交通、3.宿泊、4.施設、5.歴史と実績等の評価を総合的に勘案し、第一候補としてKCC、第二候補として横浜カントリークラブを選定し、10月30日開催された第4回招致委員会では、10月中旬既に国際ゴルフ連盟(以下IGF)へ、開催コースはKCCと言う事で申請されたと報告されております。
ここで疑問に感じざるを得ないのは、KCCはプライベートクラブであり、現在取り上げられている問題点を五輪開催者側は、当初より承知の上で選定したのではないかと言う事です。又KCCが五輪開催コースとして選定されるに当たり、招致委員会側よりKCCへ(受けて頂けませんか)と、依頼して成り立っていたのではないでしょうか。
しかしながら2017年に入りKCCのプライベートクラブとしての問題点が大きく浮上するや否や、五輪開催者側がKCCに対してクラブの細則を変更して下さいと言うのは、あまりにも身勝手な事で有り、KCCのクラブ自治権を侵害するものと言えなくはないでしょうか。まず五輪開催者側よりKCCに対し謝罪した上で、細則変更が可能か否かの問題になるのだろうと思われます。
そして何よりも日本国のゴルフ遺産として次世代へ継承して行く為には、我国多くのゴルフ愛好家・ビジターを人数限定で有っても、会員の同伴や紹介無しにまた男女関係なく、KCCに受け入れて頂きプレー出来る事こそ、重要ではないかと思われます。この方策無しに日本国民が、ゴルフ遺産を享受する事は、出来ないと言えます。この事が可能で有るならば、細則の変更は日本国民にとって副次的問題で有ると、言えるのではないでしょうか。
ただしこれでIOC(国際オリンピック委員会)を納得させられるのか、と言えば疑問が残ります。