2020年東京五輪に於けるゴルフ競技会場の行方は

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 公益財団法人日本ゴルフ協会(以下JGA)は、2017年1月31日『2020年東京オリンピックゴルフ競技会場問題に関する見解』を、報道関係者へ配布しました。内容は1.霞ヶ関カンツリー倶楽部(KCC)選定の経緯について、2.霞ヶ関CC(KCC)の女性正会員問題について、3.レガシーについて、4.その他と言う4項目です。

 この中で今回は、選定の経緯と女性問題について、取り上げてみたいと思います。いかなる経緯で霞ヶ関カンツリー倶楽部(以下KCC)が選定されたかと言えば、東京都から依頼を受けたJGA、PGA、JGTO、LPGA、東京都、有識者などで構成するオリンピック競技対策本部が、約50コースの中から条件に合うKCCを選出し、若洲GLに付いては東京都の承諾により除外された、としております。

 女性会員の件に関しては、年間約9,000人の女性ゲストが当該ゴルフ場でプレーしており、倶楽部運営の委員会へも女性が参画している。しかしながらIOCより女性正会員への開放要請が有るのも事実であり、現在国際ゴルフ連盟、組織委員会、JGA、KCCで対応を検討している、としております。

 この発表と時同じく国会の参議院予算員会議に於いて、松沢成文議員は国務大臣・丸川珠代氏、内閣総理大臣・安倍晋三氏に対して、KCCの定款細則は(全ての個人は性別によるいかなる差別を受ける事無く、スポーツをする機会を与えられなけらばならない)と言うオリンピック憲章の基本原則に違反し、開催会場として相応しくない、との意見を述べました。

 これに関して安倍総理は、「そもそも、そこでオリンピックを開くというのは、それはどうかという意見があるのは当然だろうと、こう思います。」_(国会議事録より引用)と述べると共に、丸川大臣がその様な申し入れをしているところだとしました。

 いずれにしてもKCCに於いては、倶楽部負担により開催予定とされた東コースの、改修も終了しております。今後この問題は、どなたが何時どの様な内容で最終結論を出し、終止符が打たれるのでしょうか、又多くの国民が納得出来る形で落ち着くのでしょうか。この問題の最大のポイントは、民主主義の基本原則である手続き手順が、国民に当初より広く情報開示されなかった事が、後々まで尾を引いていると言えます。