2012年12月中旬、編集長は設計家・佐藤謙太郎氏を事務所へ訪ねて、 約2時間半に渡り、ゴルフ場設計に関するお話しを、伺って参りました。
当日の内容の前に、 ご本人の簡単なプロフィールと携わったコースを、ご紹介させて頂きます。
【 ご経歴 】
- 1947年秋田県生まれ。
- 1973年より国内外のゴルフコース視察を重ねながら、ゴルフ場の造成工事・設計業務に従事。
- イギリスの設計家・David Thomasの設計理念に共鳴し、世界に通じうるゴルフコース造りを目指し、1988年に(株)M&Kを設立。
- その後、海外11コース、国内27コースを設計監修し、現在に至る。
【 ゴルフコース設計_海外 】
- 中国
・上海ゴルフクラブ_18 H
・青島石老人国際旅遊ゴルフ倶楽部_18 H - 韓国
・ヤンピョンTPC CC._27 H
・T.G.V.カントリークラブ_36 H
・西ソウル・カントリークラブ_18 H
・T.G.V.EAST カントリークラブ_27 H
・ドンホーカントリークラブ_18 H - タイ
・東洋インターナショナルゴルフアンドリゾート_9 H - マレーシア
・テンプラーパークカントリークラブ_18 H - カンボジア
・シェムリアップレイクリゾート_18 H - ベトナム
・フェニックスゴルフ&リゾートマウンテンコース_18 H
【 ゴルフコース設計_国内 】
- 隨緑カントリークラブ恵庭コース ( 旧 丸増ノースヒルズCC )_18H 北海道
- エーヴランドゴルフクラブ ( 旧 クイーンズランド余市GC )_18H 北海道
- ロイヤルセンチュリーゴルフ倶楽部_18H 秋田
- 下田城カントリー倶楽部_18H 新潟
- 石地シーサイドカントリー倶楽部_18H 新潟
- 星の郷ゴルフ倶楽部&ホテル烏山 (那須城ゴルフ倶楽部)_18H 栃木
- 伊香保ゴルフ倶楽部 清瀧城コース_18H 群馬
- 鷹彦スリーカントリー_18H 茨城
- ベイベイステージカントリークラブ_18H 茨城
- ウィンザーパークゴルフ&カントリークラブ (旧・七會GC)_18H 茨城
- 石岡ゴルフ倶楽部 ウエストコース (旧・西茨城)ー改造 ー_18H 茨城
- 大月カントリークラブ ー改造ー_18H 山梨
- 佐久リゾートゴルフ倶楽部_18H 長野
- ムーンレイクゴルフクラブ 茂原コース (旧・イトーピア千葉GC)_18H 千葉
- キャメルゴルフリゾート (旧・御宿GC)_18H 千葉
- 浜松シーサイドゴルフ倶楽部 ー改造・監修 ー_18H 静岡
- 横浜カントリークラブ 東コース ー改造 ー_18H 神奈川
- 横浜カントリークラブ 西コース ー改造 ー_18H 神奈川
- 津カントリー倶楽部_18H 三重
- 富士スタジアムゴルフ倶楽部 北コース_18H 滋賀
- 富士スタジアムゴルフ倶楽部 南コース_18H 滋賀
- J.クラシックゴルフクラブ_18H 徳島
- ザ・マスターズ 天草コース_18H 熊本
- ワールドカントリー倶楽部 (旧・熊本コース)_18H 熊本
- 花祭ゴルフ倶楽部_18H 佐賀
- 美和ゴルフクラブ 改造_18H 山口
- ベアズパウジャパンカントリークラブ 監修_18H 滋賀
編集長_ゴルフ場建設・設計に係わり出したのは、何時頃からですか?
佐藤氏
1975年 ( 昭和50年 ) 建設会社に勤務していた当時です。
大手ゴルフ場経営会社が、群馬県高山村で進めていたゴルフ場建設工事ですね。
設計家のルーティングは既に有ったのですが、計画コース36ホールの内18ホールに関して、自らの足で 計画地内を観察・計測し、ダムの計算、切り盛り土量計算などをしました。
一年半ほど群馬県庁へ通い、ゴルフ場建設の許認可取得業務に携わり、その二年後に、会社は建設工事に着工出来たのです。このゴルフ場が、関わった第一号と言えますね。
編集長_コース造りの今昔について、感ずる点を教えて下さい。
佐藤氏_昔のコース造り
昔の名匠と言われた設計家は、とにかく素材、ゴルフ場用地に恵まれていました。
(この場所なら良いコースが出来ますよ)と言う設計家の発案が、コース造りにおいては何にも増して優先されたのです。まず設計家による素材の選定作業が有ったんですね。
又、昔は土木技術、建設機材も良く無かったので、良い地形・素材で無ければ、逆に出来無かったと言えますよね。
例えば一口に素材と言っても、単純にフラットな地形で有るとか、松林が豊富で有るとか、その様な表面上の事も有りますが、現在では必ず求められる雨量強度・計算など、その様な必要性が無く、ただ自然に大地が多くの雨量をも吸収してしまう様な、好条件も含まれていると思います。
佐藤氏_現代のコース造り
現代では、技術も機材も大変良くなりましたので、多少険しい地形に付いては気にしなくなりました。この点が裏づけとなって、コース用地の選定に付いても、考え方が変化してきています。
近年、ゴルフ場オーナーが新たにコース造りをする場合、 先ず用地を安く入手出来そうなエリア、次にアクセス、更には市場性、将来性、この様な点を重要視していますね。その後に設計家がルーティングした内容を基に、必要な用地確保に動くんです。
コース素材は、副次的要素になってしまった様に思われますね。ただこの様な方式ですと、用地がまとまらないケースが多々ありますね。
狭い状態の用地では、パズル方式での設計にならざるを得ません。 ですから1980年代後半から造られたコースには、未熟な内容のものが多い様に思われます。
近年造られた日本のゴルフコースに、現在求められているのは、やはり改造・改修でしょうね。
編集長_造られたコースの中で、思いでに残るコースは?
佐藤氏
どのコースも全て思い出せるほど記憶に残っておりますが、特に強烈な思いでは、マレーシアのテンプラーパークカントリークラブですね。
編集長_テンプラーパークカントリークラブ建設工事で思い出される出来事は?
佐藤氏
1989年当時、建設予定地はクアラルンプールから車で30分程のジャングルでした。そこは亜鉛採掘跡で、周囲は石灰岩でしたね。さらさらした砂地の様な所も多々有りましたよ。 予定地には、大きな川が流れておりました。
佐藤氏_建設作業中に怖かったのは、グリーンスネークです。
猛毒を持ったヘビですよ。コブラも居るんですが、グリーンスネークの場合、噛まれたら5分以内に死亡すると言われてまして、現地の人も近寄るどころか、刺激しないで遠ざかるの待ってましたね。
この時ばかりは、伐採作業もグリーンスネークを避けるように、避けるように進むんですよ。
佐藤氏_悩まされたのは、スコールですね。
雨季に成ると一日の内、午後の三時から五時にかけて、必ずスコールが来るんですよ。 一口にスコールと言っても、日本の台風の三倍は有ろうかと言う大量の雨が、いっきに押し寄せて来るんですよ。
どうなるかと言えば、造ったバンカーが一瞬にして土砂で埋まってしまう、配管がやはり土砂で詰まってしまう、活着前のバミューダ芝がいっきに押し流されてしまう、直しては流され、直しては流されと言う事で大変な難工事でした。
当然日々、スコールへの工夫と対策は施すんですが、まあ大変でしたね。
この時は、コースデザインと施行管理の調和と言う点に関して、本当に考えさせられるものが有りましたね。
佐藤氏_すぐに壊れてしまう重機にも随分悩まされました。
バンカー砂の作成、芝の育成、などなど全て工事は自前で行ったのですが、調達した重機がすぐに壊れてしまうのには、困りました。
ブルドーザーを三台、シンガポールから持ってきたのですが、一時間作業すると一週間かけて修理すると言うのが、日常的でしたね。日本製ではない中古品でしたから、仕方が無い面は有るのですが、しかし良く壊れましたね。
編集長_テンプラーパークカントリークラブではトーナメントが開催されたとか?
佐藤氏
工事は約1年で終了し、完成する事が出来ました。その後、一年ほど養生させて、三年目からはマレーシアオープンの開場となったんですよ。三年連続開催コースとなりましたね。
後にコース所属プロとなったのが、ビジェイ・シン( Vijay Singh )でした。ご存知の様に彼は世界ランキング一位にもなったプロゴルファーですが、 マレーシア人女性と結婚して、世界へ飛躍していきましたね。
編集長_トーナメント開催のきっかけは?
佐藤氏
マレーシアの国王は、マレーシア国内各州のエンペラーによる持ち回りなんですね。当時の国王は、クアラルンプールから出ていたんですよ。国王の発案だったと思いますね。オープン時には国王親子もみえられました。ロールスロイスに乗ってこられて、真っ赤なジュータンが敷かれ ました。
新興国にとってもゴルフと言うスポーツは、国際交流の為に大変有効なんですね。マレーシア人が多くやっていたかと言うと、やはり外国人の方が多かったですね。 その辺の社会事情を、国王も良く理解していたんだと思います。諸外国のゴルフ場と多く関わって来て思うことは、経済発展とゴルフと言うスポーツは、密接にリンクしていると言う事ですね。
編集長_テンプラーパークCC設計・建設を振り返り、ご感想をお聞かせ下さい。
佐藤氏
そうですね、私が考えていた流れる様なシェープが出来なかった事、これが何にも増して残念でなりませんでした。
しかし、このコースへ智恵と努力を惜しまなかった事が、 アジアで私へ設計依頼を頂いた礎に成った様に思えますね。
編集長_アジアと言えば、カンボジアでも設計されていますね。
佐藤氏
カンボジアのコースは、アジアの中で一番最後に造ったのですが、或る意味私の自信作と言えますね。それまでの海外での経験を、活かす事が出来たんです。
建設予定地は大変フラットな地形で、近くには有名なアンコールワット遺跡の森が有るんですね。
人工的であるゴルフコース、 このゴルフ場が時間の経過と共に、如何に遺跡の森と調和して、自然の中に溶け込めるかを、テーマに造ったつもりです。
そこをコースコンセプトにしたんです。フラットな素材に対して、人工的に造られた流れるようなシェープ、自然と大きくなる樹木、10年、20年を経過した後に、アンコールワット遺跡の森と調和出来る、と当時から確信を持っていました。
人工的で有るにも拘らず自然的であると言う事は、そこに作者の創意工夫が無ければ出来ないんですね。ルーティングからシェーピングまで私がやって、満足の出来る仕上りになっています。
編集長_アジアの中では韓国が一番多く造られていますね。
佐藤氏
韓国では5コース造ってます。
1980年代後半、韓国には200以上のゴルフコースが有りましたが、その半数以上のゴルフコースの設計に、関係していると言われる設計会社が有るんです。
その会社の実力者が独立すると言うので、その彼と共に造ったものが多いですね。
第一号コースは、パルパルオリンピック( 1988年ソウルオリンピック )の年、にソソウル・カントリークラブ( 西ソウル・カントリークラブ )を造ったんですね。
その後、暫く韓国の案件からは離れていたんですが、或る日突然、 韓国のゴルフ場オーナーが私の東京事務所へ飛び込みで来られたんです。
その熱意こもった設計依頼を受けて、スタッフを1年間、韓国に常駐させて造ったのが、ヤンピョンTPCです。二作目になります。三作目がT.G.V.カントリークラブ です。
その次がT.G.V.EAST カントリークラブ 、ドンホーカントリークラブと言う流れになります。現在、進行している計画も2?3有りますし、名前を出さない事を条件に、図面だけ書いて向こうの建設会社が造ったコースも有ります。
編集長_設計依頼はどの様にして来るのですか?
佐藤氏
全て紹介です。
世界の富裕層と言うのは、皆さんコミュニティーを持っています。富裕層同士でのネットワークです。そのネットワークを介しての紹介が多いと思いますよ。
良い仕事をし、コースの評価が高いと言う事が、結果として次の仕事につながると思います。
編集長_世界的に著名な設計家はどの様にしていますか?
佐藤氏
アメリカの4大メジャー設計事務所、 例えばニクラウス設計事務所などは、今後発展する可能性のあるアジアの中心都市に、現地事務所を開設しています。そこに担当者を常駐させています。
経済発展とゴルフ場建設は、密接にリンクしていますからね。
編集長_アメリカの大手ゴルフ場設計会社のポテンシャルは?
佐藤氏
アメリカの大手ゴルフ場設計事務所の場合、 手掛けているゴルフコース数が圧倒的に多く、経験が豊富ですから、様々なものに対して成熟していますね。
例えば
1、ルーティングプラン
2、詳細プラン
3、監修
4、市場調査
5、運営
6、メンテナンス・管理など等
建設及び管理運営も含めたゴルフ場オーナーの要望に合わせて、様々なパッケージプランを持っています。
ゴルフに関するありとあらゆる情報を持っていますね。
編集長_海外でゴルフ場の仕事に取り組むには?
佐藤氏
設計・監修に関しての依頼を受けた場合、交通費、 宿泊費を含めたオファー費は、先に依頼主側から振り込んでもらいます。
依頼主側は、3社から話を聞きたいと成れば、3社へ振り込むんですよ。依頼主側からのこの振込が、意向表明に成るんですね。
又、設計家に対してプレゼンに参加してさい、と言う依頼に成るんです。
編集長_海外の依頼主は、どの様なゴルフコースを造りたいのですか?
佐藤氏
海外の依頼主は、明確なコースコンセプトを持っています。 入り口と出口が、はっきりとしています。例えば将来的にはトーナメントを開催したいとかね。
日本ではよく、プロに難しくアマチュアに易しいコースなどと表現しますが、 その様な抽象的な漠然とした設計依頼は有りません。トーナメント開催コースとなれば、やはりプロの練習施設であるとか、 ギャラリーが移動し易い動線であるとか、依頼主が求める内容に沿ってプランニングする必要が有ります。
お隣の国、韓国のゴルフ場オーナーなどからは、チャンピオンコースへ仕上げて欲しいと言う依頼が多く、攻略ルートに付いても、ハザードに付いても厳しいものを求めて来ます。
編集長_設計料などは何時の時点で支払われるのですか?
佐藤氏
ルーティングプラン、基本設計をした段階で支払が有ります。近年は内容をメディア( CD 、DVD )にして手渡しますが、 その時点で先ず支払が有ります。その内容が( ナイス )と言う事になれば、次は詳細設計に移ります。
二ヵ月後に詳細図面を説明し、引渡しと共にその詳細図面に対する支払が有ります。この段階で、基本的な設計業務が終了した事になるんですね。
編集長_日本とは随分異なっている様に思いますが
佐藤氏
そうですね。日本人は口頭での約束に対して、それを反故にする様な事は、あまり有りません。ところが海外では、その様な思惑では仕事になりませんね。
例えば、1.契約時 2.着工時 3.工事中間時 4.工事完成時 この様に何回に分けて工事代金を支払うと言うのが、一般的な日本の商慣習かと思います。
しかし、この方式を海外でも当てはめて考える事は、大変危険です。 この様な内容の契約書ですと、最後、4番目の工事完成時代金に付いては、まず受領出来ないと考えた方が良いですね。
出来上がったコースに対して、海外の依頼主は必ずと言って良い程、クレームが付きます。( この様なコースを望んでいませんでした )と言う事になり、 そうなっては代金の回収は困難を極めます。
編集長_設計家の著作権に付いて
佐藤氏
設計家は設計業務が終了し、代金の支払を受けた後にも、著作権は移動しないんです。この点を良く理解しない為に、問題が起きるんですよ。
例えば( お金を払ったのに、なぜ頂けないんですか )などです。
依頼主( 発注者 )には、使用権が有るんです。この点に関して、日本ではなかなか理解されていませんが、設計依頼を受けた時点で充分な説明と理解が必要な点です。
編集長_建設工事について
佐藤氏
図面が出来上がると、次は工事に入ります。まれに設計家の名前を出さない事を条件に、図面のみを購入し、それを基に自らが工事に入るオーナーも居ます。しかしそれは、まれですね。
工事が始まりますと、通常はその工事を管理・監督出来る人物が、必要なんです。 その役割を担う人をスーパーバイザーと呼んでいるんです。
設計家は月に一度、或いは二ヶ月に一度と言う頻度で現場へ出向き、監修業務をする必要が有るんです。この監修業務に付いても、一回のフィーが必要ですし、当初から決めておく必要が有ります。
実際の工事に入る為には、着工前に、一ヶ月か或いは二ヵ月分の工事代金を、前金にてオーナーより支払って頂く必要が有ります。この支払が止まった時に、建設工事もまた止まってしまうんですよ。
この様にして工事が完成して始めて、設計家は名前を出せるんです。この一連の流れが、海外で仕事をする時の一般的ルールですね。
編集長_海外のゴルフ場オーナーはゴルフ場をどの様に認識しているのでしょうか?
佐藤氏
海外のゴルフ場、クラブは閉鎖的です。ゴルフ場はオーナーの所有物です。当たり前ですよ。 オーナーは、素晴らしい誇れるゴルフ場を所有している事に、意義を見いだしているんですから。
ゴルフ場をビジネスに、していないんですね。ゴルフ場をビジネスにした場合は、やはり年間来場者数が問題になるでしょうし、客単価も気になる点だと思います。
これは、ゴルフ場をビジネスにしたら良いとか、悪い、と論じてるのでは無いです。
編集長_コース完成後のゴルフ場との関わりは?
佐藤氏
コースが完成して暫く経過すると、オーナー自らがコースへ手を加え出すんですね。設計者の意図する内容よりも、自分好みに変えて行くんです。
なぜ、この様な問題が起きるのかと言えば、出発点でコースコンセプトに付いて、充分な話し合いがなされていない為だと思います。
コースへ手を加えようとした時点で、設計者へ連絡を頂ければ良いんですけど。
昔の設計者、井上誠一さん、或いは上田治さんなど、神格化された様な方々のコースでは、設計者の思想或いは考え方などを学んで、維持して行こうとする傾向は有ります。
編集長_グリーンキーパーさんとの関わりは?
佐藤氏
グリーンキーパーさんとの関係は、残念ながら希薄ですね。ゴルフ場のグリーンは、畑や田んぼと違いますから、耕す訳には行きません。 グリーンの表面上から施用する以外有りませんので、難しい作業ですよね。
化成肥料にしても有機肥料にしても、一長一短が有りますが、 上手に使い分けてやって欲しいと思います。
編集長_今後、日本のゴルフ場に於ける設計家の役割は?
佐藤氏
今後、日本で新発のゴルフ場は、出来ない様に思います。そうすると設計家に託された役割とは、コースの改修・改造と言う事になるんでは、無いでしょうか。
例えば、バブル期に粗製乱造されたコースを、明確なコースコンセプトを持った内容へ、改造して行く事でしょう。例えば、2012年時点で、全ゴルフ場数の半数程残されている、ツーグリーンのワングリーン化でしょうね。私はツーグリーンが全て悪い、と言っているのでは有りませんが。
編集長_日本での外国人設計家の活躍が目に付くんですが?
佐藤氏
様々な要因は有りますが、結論は力量の差ですね。
どういう事かと言うと、やはり外国人の方が良いデザインをするんですね、残念ながら。
海外、特にアメリカの設計家は、手掛けているコース数が圧倒的に違います。経験値に裏付けされた仕上りは、やはり出来が良いんです。
近年、古くからの名門コースと言われるゴルフ場で、改修・改造が進んでいます。 その様な時には、日本人の設計家を使って欲しいと言う気持ちは有りますが、コンペになった場合は、やはり負けてしまうのが現実です。
編集長_今後、日本での改修・改造に当り、訴えたい事は?
佐藤氏
そうですね、端的に言わせて頂ければ、新しくもの造りをするに当って、50年前の設計家の復元は出来ない、と言う事ではないですか。
設計家によるプレゼン以前の問題として、コースコンセプトを明確にして頂き、クラブの会員間に於けるコンセンサスを得ておいて欲しいと言う事です。
良く耳にするのは、( これでは50年前に造った名匠の雰囲気が壊れてしまう )などです。ゴルフボールやドライバーなどの用具が、革新的に飛躍的に変化し、より遠くへ飛ばす時代にあって、現代的なコースデザインを求めるのか、 或いはクラシックデザインに固執するのか、発注者側が問われている問題だと思います。
この点を良く議論して欲しいですね。
編集長_今後の豊富をお聞かせ下さい。
佐藤氏_世界に通ずるコースを日本からも発信していきたい、と言う事に尽きますね。
編集長_本日はお忙しい中、長時間に渡り、誠にありがとう御座いました。
ゴルフ場設計_株式会社 M & K(2012年12月現在)
〒224-0052
神奈川県横浜市都筑区二の丸12‐7
代表取締役 佐藤 謙太郎
TEL:045-507-5221 / FAX:045-507-523
http://www.mandk.co.jp/
著作権はタクト株式会社に属します。
Copyright(c) TACT CO, LTD ALL Rights Reserved