外国人材をゴルフ場の「コース管理職」として採用する件に関し、かねてより(一社)日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)では、資格制度も含めた採用への下準備をして来ています。
しかしながらそのハードルの高さ故、別の側面から道筋を描く事も同時に模索していました。その様な中、この度「NPO法人やさしなの」と連携協定締結へ向け、基本合意に達したとしています。これはコロナ禍の影響から約2年半のブランクを経て、昨年11月下旬から協議を再開しての結果でした。
外国人材登用へ向け「NPO法人やさしなの」が、ベトナム国立農業大学の卒業生を対象に、受け入れの窓口になりNGKとの協定の基、NGK加盟各ゴルフ場へ紹介して行く手順になります。協定締結へ向け越えなければならない課題はあるものの、締結出来たならば、ベトナム人の採用へ大きく一歩を踏み出します。
とは言え「技術・人文知識・国際業務」制度を利用しての受け入れは、それなりの費用負担を受け入れ側に求めれます。現在各ゴルフ場が抱えている人材不足について、安易に外国人採用でまかなえると考えるのは、拙速にも思えます。現時点では様々な成功、失敗体験を広く共有し消化て行く時期とも思われます。
福島県の会津磐梯カントリークラブは2022年12月28日、ISグループの一員として企業力を強化して行く事になりました。同日代表取締役の安部哲夫氏が退任すると共に、入れ代わりにISグループ代表の遠藤昭二氏が就任しました。
安部氏が所有していたゴルフ場株式の過半数を、ISグループの株式会社DMC aizuが取得する事でグループ化しましたが、取得目的は会津エリアの地域振興です。今後当該ゴルフ場は単独企業を脱しグループとして、相乗効果を求めていく事になります。身近で目に見える直近の効果は、労働環境です。
此れ迄当該ゴルフ場では、冬季間スタッフの多くは休業状態だった訳ですが、今後は関連施設のスキー場などでの就労が可能になりました。ところで買収会社の概要は、下記の通りです。
■ 事業内容:リゾート施設運営事業、発電事業、地域DX推進支援事業、DMO活動
■ 事業所 :猪苗代スキー場、ホテルヴィライナワシロ、裏磐梯スキー場、
北日光・高畑スキー場、道の駅きらら289、小豆温泉旅館 花木の宿、聡明の湯、
オートキャンプ場 REDBEAN
■ 資本金 :9,800万円
■ 代表者 :代表取締役 遠藤昭二
■ 株 主 :株式会社ISホールディングス 100%
千葉県の紫カントリークラブはすみれコース18ホールと、あやめコース36ホールを擁する大型のゴルフ場です。
あやめコースは、登録会員635名が在籍するセミパブリックコースですが、2012年1月より「紫あやめ36」と言う呼称を採用して来ていました。ところがこの呼称を2021年4月、従来からの「紫カントリークラブ あやめコース」へもどしています。
当該ゴルフ場曰く、「基本的な名称を変更した事は無く、単にニックネーム的なものとして、紫あやめ36が使われていた」様ですので、2021年にかつての名称へ戻したのでは無く、「紫あやめ36」と言う呼称の使用をやめたと言うのが正確なところです。
かつて当該ゴルフ場経営へは、外資が資本参加していました。その関係から「紫あやめ36」と言うニックネームを使用してきた、此れが実情の様ですが、現在では外資が保有していた株も買い戻しているとの事です。
ゴルフ関係者からすれば、当該経営会社の方針転換について、速やかな告知をして欲しかったと言うのが、偽ざる本音だと思いますが、当該経営会社にすれば、外資の件については触れられたくなかったと言うのもまた、本音だったのではないでしょうか。いずれにしても、既に2年が経過しました。
2023年6月1日(木)、ゴルフスタジアム事件被害者ら原告が被告(株)オリエントコーポレーションを訴えていた各債務不存在確認、各損害賠償金等、立替金等請求控訴事件の2審は弁論終結を迎えました。
振り返れば高裁での開催は今回で2度目ですが、既に双方の書面でのやり取りが進んでいた様で、残すは判決のみになりました。しかしながら鹿子木康(かのこぎ やすし)裁判長は、判決日を告げる事無く、後日連絡するとしたのです。
判決日を仕切らなかった背景には、出来るだけ和解協議を進めたいと言う、裁判所側の思惑もある様です。和解条件の基本は、「名古屋基準」になりますが、この案を軸に協議が進むものと思われます。
ところでゴルフスタジアム社の「騙し討ち営業」を許せない、と憤りを隠さない原告も居り、どの程度和解が進むものかは不透明な状況です。
埼玉県の川越グリーンクロスを経営していますPGMプロパティーズ(株)は2023年5月31日、同ゴルフ場を本年12月31日をもって閉場する方針である事を明らかにしました。
此れは同ゴルフ場が荒川河川の中のゴルフ場であり、荒川河川を管理する国(国交省)より土地の使用許可を得て、此れまで営業して来ています。今回管理者である国は荒川河川の整備計画の一環から、当該地を含めた地域で「荒川第二・第三調整池整備事業」を行います。
工事の基本理念は、河川氾濫によりもたらされる周辺住民への被害を、未然に防ぐ事です。この整備計画が国により具体的に着手され始めた事から、当該ゴルフ場では現状を維持出来ない為に閉場する訳ですが、ではこのクラブの会員、その処遇はどうなるのでしょうか。
当該クラブによる会員への基本的対応は下記の通りです。
■ 退会を希望する会員へは、預託金の返還を適時適切に行う。
■ PGMグループの他クラブへ移籍の場合、優遇措置を設ける。
いずれにしても荒川河川一帯には当該ゴルフ場以外、多くのゴルフ場が存在していますので、それらのゴルフ場も必然的に、何らかしらの対策を求められます。各ゴルフ場の今後の動向が気になると共に、多くのゴルファーが影響を受けるものと思われます。
函館シーサイドカントリークラブ(北海道函館市)は2023年2月28日、今年度の営業を見合わせるとして、Webサイトで公表しておりました。
函館市によれば例年4月に入れば雪解けが始まり、下旬にはほとんど融けているとの事ですので、当該ゴルフ場では2023年に入り早々、休止に関する方針を定めていたと言えます。その理由について当該ゴルフ場では、「昨年8月に発生した未曾有の豪雨災害」による重大な懸念からだとしています。
当該ゴルフ場は2022年2月1日に手塚寛氏が辞任し、同時に野澤敏伸氏が就任していました。ゴルフ場業界に詳しい一季出版(株)によれば、「朝日コーポレーショングループから、ノザワグループに経営交代」したとの事です。
ノザワグループと言えば現在当該ゴルフ場以外に、全国で5コースを運営していますが、同時に太陽光ビジネスを手掛けている企業としても有名です。今後来年に向け再開されるのか、或いは休止状態が継続されるのか、推移を見守る必要が有りそうです。
ところで北海道のゴルフ会員権業者によれば、当該クラブには1000名弱の会員が在籍していると言われており、その会員権は10万円ほどで売り情報はあるものの、買い手が付いて取り引きまで至ったケースは皆無としています。
エージシュート1000回。
何とも気が遠くなりそうな数字ですが、この大記録を和泉覚(イズミ サトル)氏が達成したのは2023年4月24日、岩手県八幡平市の南部富士カントリークラブに於いてでした。御年90歳での達成です。
思い起こせば和泉氏は2003年5月に盛岡カントリークラブ(岩手県)に於いて、70歳にしてスコア70にて、初エージシュートを達成しておりますので、実質20年目の快挙と言えます。此れだけの年月をかけなければ、ある意味達成出来なかった訳です。
忍び寄る体力や技術力、更には気力の衰えに対し、これを日常的に克服して行く努力と精神力、これら無くしては達成出来なかったものと思われます。
著者が初めて和泉氏にお目にかかったのは、2015年5月でしたから丁度8年前になります。当時、和泉氏はエージシュートを、326回達成後でした。今回1000回達成迄の道のりを2023年5月中旬に和泉氏を訪ね、伺う事が出来ましたので、詳細は別の機会に譲りたいと思いますが、兎に角おめでたい出来事でした。
一般社団法人 日本ゴルフ場経営者協会(以下NGK)では2023年5月25日、都内会場にて第11回定時総会を開催し、第11期報告書及び第12期事業計画案を承認しました。
コロナ禍と言う社会の特殊性から恩恵を受けたゴルフ場業界が、この追い風を背景にプレーヤーの自然増を如何に定着させられるのか、この点が大きな課題である事は、万人が認識しているところだと言えます。この為には、「短時間」、「カジュアル」、「シンプル」、「仲間」この様なキーワードを起点とした対策が重要であり、例えば2時間程度で楽しめる9ホールのハーフプレ―なども、拡充して行く必要が有るとしています。
なお総会での会員による質疑応答にて、NGKの赤字体質へ疑問を投げかける声も上がり、この点に関し執行部では、会員数を増加して行く事による年間総予算の増額確保が、喫緊の課題だと対応しています。赤字体質脱却のラインは会員数200とし、NGKの拡大と増強にはこの会員数を全員で目指していく事になるのだと思われます。
赤城ゴルフ倶楽部(群馬県)では、会員権の名義書換手続き時に名義人の印鑑登録証明書或いは印鑑証明書、この添付を不要として、昨年2022年より日常の書換業務を行っています。
実際、名義書換用紙の名義人欄に押印されるのは、認め印のみの様ですが、実務に当たっているご担当者によれば、就任時には既にその様な慣習になっていたので、明確に何時からとは答えられないとの事でした。当然不要とする根拠について、会社より説明は受けていない様です。
この様な事例は既に今年2月に、群馬県のJGMベルエアGCに於いて行われている関係から、当該ゴルフ場で2例目となります。株主会員制クラブに於いては、この様な手法を原則として採用しており、不思議では無いと思われますが、それにしても新たな現象だと言えます。
今後追随するゴルフ場が、出て来る様にも思われます。
埼玉県の大宮国際カントリークラブでは国の方針に従い、2024年4月より45ホールから36ホールにて営業出来る体制を、これまで整える準備をしてきております。
しかしながら今般突如、国交省・荒川調整池工事事務所の担当官より、当該ゴルフ場の現行地使用を2026年3月末まで継続する旨、口頭で伝えられました。この結果、残り3年間は45ホール体制を維持出来る事になったのですが、その後は36ホールへの移行では無く、場合によってはそれ以下の大幅な縮小を、求められる可能性が出て来ました。
此の点に関し当該ゴルフ場では、口頭では無く正確な内容を書面で知りたいとして、国交省へ要求しています。この書面無くしては、正確な対策も取り辛い事から、正当な要求だと言えますが、この書面をもって当該ゴルフ場も今後の対策を仕切り直す事になります。
それにしても今回の国交省工事計画変更は、唐突感が否めないもので有り、国の荒川河川整備計画とは言え、当該ゴルフ場は翻弄されるばかりです。