筑波カントリークラブ(茨城県)を経営する株式会社筑波ゴルフコースが、2024年6月28日第68期有価証券報告書を公表しました。過去3期に渡る売上高などに関する概略は、下記の通りです。
回次 | 第66期 | 第67期 | 第68期 |
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売上高 | 741,900千円 | 774,549千円 | 798,996千円 |
経常利益又は経常損失 | 17,062千円 | 5,179千円 | 28,652千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 5,957千円 | 367千円 | 8,905千円 |
売上高は過去3期の中で最も高いものとなっていますが、それを支える来場者数は、前期比1,331人減少し37,603人となりました。内訳は会員が953人減少し23,333人、ゲストは378人減少し14,270人でした。
来場者数が減少しているにも関わらず売上高が伸びた背景は、グリーンフィ、キャディフィの値上げ及び乗用カート利用料が増加した事によるものです。結果として営業利益が増加しています。
営業外収益は前期比7,667千円増加し11,982千円となり、また投資有価証券売却損などを考慮しても、これまでに無い好結果となっています。
大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)を経営する株式会社水戸カンツリー倶楽部では、2024年6月27日に第72期有価証券報告書を公表しました。振り返り過去3期の概要は、下記の通りです。
回次 | 第70期 | 第71期 | 第72期 |
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売上高 | 630,074千円 | 779,292千円 | 819,526千円 |
経常利益又は経常損失 | 35,529千円 | 15,111千円 | 5,340千円 |
当期純利益又は当期純損失 | 34,906千円 | 14,488千円 | 4,398千円 |
上記表にて経常及び純利益が減少している件については、ゴルフ会員権の名義書換料収入を5年間に分け計上した点が、大きく影響しとしています。総来場者数は前期より107人増え36,815人となり、中でもビジターは439名増えました。またキャディフィの値上げも有り、営業収益は前期比5.2%増えています。
費用面では、落雷によるポンプ故障や老朽化した設備更新、更には派遣キャディフィが値上がりした事も有り、一般管理費は164,000千円増の829,569千円になりました。収益が上がるものの費用も上がり、結果としては10,044千円の営業損失になっています。
営業収益は上がるも費用もかさみ約1000万円の損失となりましたが、営業外収益例えば「開場70周年記念協賛金」や落雷被害に伴う火災保険金等の収入により、結果としては、4,398千円の黒字で終えています。
なお当該倶楽部では、来年2025年にJLPGA公式競技「ソニー日本女子プロゴルフ選手権」を開催しますので、更に注目度が高まると予想しています。
横浜カントリークラブ(神奈川県)では2025年1月より、新規入会者が入会手続き時に当該クラブへ支払う入会預託金額を改定します。その概要は下記の通りです。
会員種別 | 改定前 | 改定後 |
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正会員(個人、法人) | 6,000,000円(非課税) | 8,000,000円(非課税) |
平日会員(個人、法人) | 3,000,000円(非課税) | 4,000,000円(非課税) |
入会時に新規入会者はこの他に通常の名義書換料も支払いますので、例えば正会員ですと来年の1月以降、1240万円をクラブへ支払う事になります。
なお相続継承や贈与手続きなどに於いても、改定後の金額を基準に不足分を清算する必要が有ります。
飯能ゴルフクラブ(埼玉県)を経営する株式会社飯能ゴルフ倶楽部の第66期決算が、2024年6月26日明らかにされました。前々期まで含めた概略は、下記の通りです。
回次 | 第64期 | 第65期 | 第66期 |
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売上高(千円) | 633,875 | 621,411 | 684,151 |
経常利益又は経常損失(千円) | 70,544 | 63,714 | 42,420 |
当期純利益又は当期純損失(千円) | 57,469 | 40,024 | 31,076 |
堅調な売上となりましたが、この背景には来場者の増加が、一つの要因として上げられます。会員は前期比58名減少し23,241名、ゲストは1,206名増加し12,615名、結果として1,148名増え35,856名となりました。来場者の増加により、前期比62,740千円の増収です。
しかしながら営業外損益は、会員権の入会金収入が前期に比べ38,500千円減少した事により、202,667千円でした。この件に付き決算書では、「営業損益での赤字が続いており、最終損益を営業外収益である名義書換料に頼っている状況」としており、如何に会員の入退会手続きが重要であるかを指摘しています。
更に決算書は会員の入退会が重要であるかを、別の視点から記述しています。「ゴルフプレーを会員及び、会員の同伴もしくは紹介のゲストに限定しているため、会員の高齢化が進み、会員1人当たりの来場回数が減少することになりますと、入場者が減少し、売上高の減少につながる可能性があります。」
これらは会員の入退会事業が、如何に重要な役割を担っているかを物語っています。ゴルフ会員権の取り扱いを担っている会員権業者との連携は、ますます必要不可欠になっているとも言えます。
横浜カントリークラブ(神奈川県)では2026年1月1日より、会員の年会費を改定します。これは2024年6月26日に当該クラブが明らかにした内容ですが、その概要は下記の通りです。
会員種別 | 改定前(10%税込) | 改定後(10%税込) |
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正会員(個人) | 132,000円 | 198,000円 |
正会員(法人) | 198,000円 | 264,000円 |
正会員(80~89歳) | 66,000円 | 99,000円 |
正会員(90歳以上) | 33,000円 | 49,500円 |
平日会員(個人) | 99,000円 | 132,000円 |
平日会員(法人) | 132,000円 | 165,000円 |
平日会員(80~89歳) | 66,000円 | 82,500円 |
平日会員(90歳以上) | 33,000円 | 41,250円 |
上記年齢対象者は、あくまでも個人会員です。
千葉県の千葉カントリークラブを経営する株式会社千葉カントリー倶楽部は、2024年6月21日に第71期有価証券報告書を公表しました。過去3期に渡る概要は、下記の通りです。
回次 | 第69期 | 第70期 | 第71期 |
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営業収益 | 2,149,191(千円) | 2,263,275(千円) | 2,241,296(千円) |
経常損益 | 43,751(千円) | 47,301(千円) | 94,329(千円) |
当期純損失 | 13,503(千円) | 13,499(千円) | 38,216(千円) |
3期連続での好決算となるものの、売上高は前期比2,197万円減となりました。この減少要因は、梅郷コースに於けるキャディ不足から、来場者が減少した為としています。原則として梅郷コースは、1組に1人のキャディ付きとしており、予約段階で受注調整していました。
これを裏付ける来場者数は、前期比2,842名減少し124,782名となりました。この内訳は野田コースが36,087名、梅郷コースが33,329名、川間コースが55,366名でした。
なお会員権の名義書換は前期比43件増となり、名義変更登録料は5,600万円増の3億7,500万円となりました。
千葉県の姉ヶ崎CCと立野クラシックGCの2コースを国内で経営する平和農産工業株式会社は、2024年7月23日に本社所在地を移転します。その概要は、下記の通りです。
現住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座7-5-4 毛利ビル 6F |
移転先 | 〒104-0061 東京都中央区銀座7-4-15 RBM銀座ビル 10F |
なおこの移転に伴う電話番号、FAXなどの変更は無いとの事です。
静岡県の南富士カントリークラブは、2024年9月30日をもって閉鎖になります。これは同年10月1日に持ち主である株式会社ザイマックスグループ(以下ザイマックス)が、富士市と株式会社富士環境保全公社(以下公社)の2者へ当該ゴルフ場を売却するのですが、取得後2者はゴルフ場として継続しない為です。
富士市は当該ゴルフ場を構成する12ホール分の38ヘクタールを、残り6ホール分の16・5ヘクタールは公社が購入します。公社による跡地の利用目的は、産業廃棄物と一般廃棄物の処理場としてですが、富士市は自らの取得分について森林へ復原していく予定としています。
公社は富士市の第三セクター会社であり株も富士市が一部所有している関係から、今回当該ゴルフ場を持ち主のザイマックスから購入する主役は、ある意味富士市と言えなくも有りません。
2022年より富士市とザイマックスは交渉のテーブルにつき、富士市側では2022年9月の富士市定例会へ議案を上程する予定も、地域住民への説明不足などから、実際に議決されたのは2023年2月14日の事でした。以降同年5月の議会に於いて、財産取得の予算が認められた為、ザイマックスとの仮契約は本契約となり今日に至っています。
ところで当該ゴルフ場は2010年12月に民事再生法の適用を申請しており、翌年7月の債権者集会で可決された弁済率は3.96%でした。当時在籍していた会員も高齢化などから、現在は約半数の500~600名ほどへ減少しています。この方々へ預託金の返還業務を当該ゴルフ場は進めており、9月末までには完了する予定としています。
長野県の旧軽井沢ゴルフクラブでは2023年夏の理事会にて、入会費用及び会員年会費額について改定する事を決議しており、2024年1月より施行されています。
株主会員として当該クラブへの入会を認められ支払う金額が、50万円(税別)から100万円(税別)になったのは2004年7月でしたが、今回その金額が200万円(税別)になりました。約20年ぶりでの改定になります。
この動きに合わせ会員の年会費額も改定されており、従来の税込み143,000円から税込み220,000円になっています。なお当該クラブによれば、市中で株券を取得し、その後入会申請し新規会員になられる方は、年間数名居られる様です。
PGMグループでは2024年7月1日の受け付け分、10月1日のプレー分よりビジターのプレー日直前でのキャンセルに対し、キャンセル料を徴収する事になりました。会員については準備が整い次第、2025年1月より導入したいとしています。
PGMグループに限らず、プレー日直前でのキャンセル、いわゆる「ドタキャン」については、多くのゴルフ場が頭を痛めている問題であり、有効策が見当たらず今日に至っています。一般的天気予報では予測不能エリアのゴルフ場では、局地情報を詳細に伝えるお天気アプリを導入し、「ドタキャン」防止へ役だて様ともしています。
何故「ドタキャン」がおきるのかと言えば、その大きなプレーヤーの理由はお天気です。「雨の日はやりたく無い」これに尽きるのだと思われますが、ルールを重んじるゴルフ、そのゴルフプレーヤーが予約を突然破っても良いものなのでしょうか。この「ドタキャン」が当然の如く成し得てしまっている現在、この無作法を認めて来てしまったゴルフ場側にも、責任の一端は有るのだと言えます。
PGMグループでは、いち早くこの問題解決へ向け動き出しており、2022年12月にはキャンセル料徴収を社の方針として決定しています。昨年から様々なケースを想定し検討を重ね、今回「ドタキャン」された方へ、キャンセル料を請求する事になったのです。
料金を請求するにあたっては「PGMキャンセルポリシー」を提示し、予約段階でそれを理解して頂く必要が有ります。「知らなかった」この様な行き違いが無い様、PGMグループでは徹底して行くとしています。
同グループによればグループ内20クラブでは、かねてよりキャンセル料の徴収を行って来ているものの、それが全社的方針として打ち出せたのは、スマホの普及とデジタル化の進化、此れ抜きにはあり得なかったとしています。請求書を郵便などで発送しなければならない状況下では、この改革は前進して行く余地が無かったとも言えます。
実際の請求は「ドタキャン」した方のスマホへ、デジタル請求書を送る方法になります。受け取った方は画面操作で、クレジットカードやその他決済アプリを使用し、送金手続きを行い終了します。同グループによれば、この決済システムを構築した企業は、既に国内1300ほどの店舗やホテルなどへ納品しており、多くの回収実績を上げているとの事。
キャンセル料一斉導入に当たり、予約が低迷するのではと予想するものの、それはあくまでも一時的と同グループではみています。予約キャンセルの有り様を模索するゴルフ業界ですが、新たなゴルフ文化創造へ向けPGMグループの挑戦が始まります。