ゴルフ、この一冊

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「 粗にして野だが卑ではない 」 石田禮助の生涯

☆ 著   者  城山 三郎            
☆ 発 行 者  村上 和宏
☆ 発 行 所  株式会社 文藝春秋  http://www.bunshun.co.jp/
           〒102-8008
            東京都千代田区紀尾井町3-23
☆ 連 絡 先  03−3265−1211
☆ 初版発行  1992年6月10日  (税別 定価 476)

☆ 著者略歴  1927年 愛知県に生まれる。
               海軍特別幹部練習生で終戦を迎え
           1946年 東京商科大学 (現・一橋大) 入学。
               卒業後愛知学芸大学 (現・愛知教育大) で景気論を講ずるかたわら書いた
               「輸出」 で
           1957年 第4回文學会新人賞を受賞。
           1959年 「総会屋錦城」 で第40回直木賞受賞。
           1996年 第44回菊池寛賞受賞。
           2007年 3月22日死去。




「   一方で石田は、シアトル時代と同様、指導者層のアメリカ人たちと気おくれせずつき合った。  ・ ・ ・ ・ 
    ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
    週末は、夫妻で教会に、テニスに、ゴルフに。 それまで日本人の入れなかったオーガスタ・ナショナル・ゴ
   ルフクラブのメンバーにもなった。

            ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  」

           ━ ( 動くものが好き ) より抜粋 ━




■ 本書に関して

 本書をゴルフ関連の書籍とは、分類し難い。
 しかしながら作家・城山三郎がつづる本書の主人公である石田禮助、彼こそ
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブに於ける日本人唯一の会員で在った事は、現在、定説
に成っている。

 石田は1930年に三井物産のニューヨーク支店長へ就任し、大活躍した後の1936年に帰国
している。

 石田が帰国するに当たり、シアトルでは市の有力者達が、石田に感謝したいと招待行事が
行われた。
 又、同様に招かれたエベレット市では、音楽隊入りパレードが行われ、公会堂での感謝パー
ティが市を上げて行われた。

 オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ創設者であるボビー・ジョーンズの
ビジネスパートナー・クリフォード・ロバーツは、石田の帰国に際し、石田に代わり会員と成り
得る日本人の資料を、クラブへ提出する様、石田に依頼した。
 残念ながらその依頼を石田は、達成出来なかった。
 理由は解からない。

 オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは会員を募るに当たり、クラブが相応しい人物をリサ
ーチし、判断した後に、当人へ入会意志を確認し手続きをとる。
 入会希望者が自ら手を上げ、推薦者を手当てすれば入会出来るものでは無いのだ。

 この様なクラブに相応しい日本人は、石田ただ一人であった。

 本書は読み応えが有った。
 難解などと言うのでは無い。
 理解しがたいひねった言い回しも無いし、文章は大変に読み易い。
 さすが、一流作家の文章だと、読書中何度もうなってしまった。

 本書では石田の誕生から没までを、丹念に描き上げており、その生き様が手に取る様に理
解出来る。
 著者は様々な石田ゆかりの土地や、人物を尋ね歩いている。そしてその気候であるとか風
物に触れ、又、関係者への取材を通じて、石田の人物像を読者へ解かり易く伝えようとして
いる。

 本書は石田禮助の人物伝であって、石田禮助のゴルフを語ってはいない。
 しかしながら、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ会員の日本人とは、どの様な人物であ
ったか、まずそれを理解して頂きたく、本書をあえて取り上げた。
 本書は文庫本なので携帯もし易く、カバンに入れておいても苦に成らない。
 是非、手に取ってもらいたい、そして読んで欲しい一冊だ。


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